最年少で宇宙飛行士に選ばれた“女性外科医”の正体
日本の新たな宇宙飛行士候補者として、2023年2月に選ばれたのが諏訪理さんと米田あゆさんの2人です。応募者数は過去最多の4127人。日本人宇宙飛行士候補者の選抜は、前回の2008年度以来、およそ13年ぶりでした。2人はその後、宇宙飛行士候補者としての基礎訓練を終え、2024年10月にJAXA宇宙飛行士として認定されました。さらに諏訪さんについては、2027年ごろの国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員に指名されたことも発表されています。
諏訪さんは、世界銀行で上級防災専門官として勤務していた人物です。防災や国際協力の分野で経験を積み、世界各地の災害リスクの低減に関わってきました。一方の米田さんは、日本赤十字社医療センターで外科医として勤務していました。選抜時は28歳で、JAXAの宇宙飛行士候補者としては最年少タイ。向井千秋さん、山崎直子さんに続く女性宇宙飛行士でもあります。
異なる“強み”を持った2人の宇宙飛行士
前回の選抜では、月面探査も意識した試験が行われています。宇宙飛行を含む自らの経験や成果を世界に伝える表現力、発信力も評価され、月面を模擬した施設での試験も行われました。
諏訪さんは、欧州宇宙機関のCAVES訓練にも参加しています。洞窟という閉鎖・隔離環境で、長期滞在に必要なチーム行動や意思決定、コミュニケーション能力などを磨く訓練です。
また、東京大学理学部や海外の大学院で地球科学を学んだ諏訪さんは、南極やグリーンランドの氷床コアを分析し、過去の気候を復元する研究に取り組んだ経験があります。過去の取材では、月や火星を知ることは地球を知ることにもつながると話しており、アルテミス計画はそうした科学的関心とも重なります。
一方、米田さんは、趣味にテニスやヨット、ゴルフ、乗馬などを挙げ、アクティブな一面が伺えます。身近に感じられる宇宙飛行士になりたいとも話していて、SNSでは、訓練の様子や宇宙開発に関する情報をわかりやすく発信しています。
そんな米田さんの大きな強みは、やはり外科医として現場で判断を重ねてきた経験です。月はISSよりも地球から遠く、緊急時にすぐ帰還できる環境ではありません。米田さん自身も記者会見で、医師としてのキャリアを宇宙で活かせると話していました。
