日本の勝利が「命綱」に

 さらに悪いことに、状況はますます切迫していった。日本対スウェーデン戦を前に行われたグループEのドイツ対エクアドル戦で大波乱が起きたのだ。グループ3位での敗退が濃厚とみられていたエクアドルが、格上のドイツを2対1で破り、勝ち点4を獲得。グループA・3位の韓国(勝ち点3)を追い抜いてしまった。韓国が期待していた「組み合わせ」が、一つ消滅した瞬間だった。

 ここで日本がスウェーデンに2点差以上で勝ってくれなければ、韓国の決勝トーナメント進出の確率はさらに低下する。日本の勝利がそのまま韓国の「命綱」になっていた。

スウェーデン戦の前の日本代表 ©JMPA

「日韓の感情はひとまず脇に置くべきだ」韓国メディアの報道

 エクアドルの勝利が確定した瞬間、インターネットメディアの『アジア経済』は、「“日本人以上に日本チームを応援しなければならない羽目に” 韓国、遠のく32強の条件」と題した記事で、日本を応援せざるを得ない状況に置かれた韓国のサッカーファンの複雑な心境を報じた。

ADVERTISEMENT

 また、『朝鮮日報』のインターネット版は、「今日ばかりは『我が国』の日本、ホン・ミョンボ(洪明甫)監督率いる韓国代表の命運がかかったスウェーデン戦のスタメン公開」と題した記事を掲載した。「ホン・ミョンボ監督のおかげで、韓国のサッカーファンは朝8時から日本代表を応援する羽目になった」とし、「日韓の感情はひとまず脇に置くべきだ。自らチャンスを逃し、歴史的な拙戦を演じたホン・ミョンボチームを、日本が爽快なゲームメイクで息を吹き返させてくれるか注目される」と伝えた。

監督のホン・ミョンボ監督。6月25日の記者会見で「監督の役割が不十分だったと言われても仕方がない」と述べた ©AFP=時事

 朝8時、ついに運命の日本対スウェーデン戦がキックオフを迎えると、お茶の間ではJTBCやKBSが、オンラインではNAVERが試合をリアルタイムで生中継した。普段なら日本の敗北や苦戦を望む声が多かったはずのNAVERのライブ配信コメント欄だったが、この日ばかりは様子が違った。