「あの大会は、今もずっと忘れられないですね」
鈴木彩艶(23)が言うあの大会とは、2024年のアジアカップのことである。
カタールW杯をベスト16で終え、チームをビルドアップさせていく途上での大きな大会で、鈴木は日本代表の正GKの座を任された。だが、イラク戦でクロスを弾くも中途半端になって相手FWの頭に当たり、先制点を許すなど、不安定な守備を露呈した。
SNSで誹謗中傷殺到、差別的発言まで出る事態に
GKに求められる安定感を欠き、SNSでは誹謗中傷が飛び交い、差別発言が出るなど鈴木を取り巻く環境が混沌とした。
鈴木は「SNSを通じて(差別的発言を)受けました。そこに負けるつもりはない。結果で見返してやろうという気持ちです」と気持ちを強く持ってプレーに集中した。
だが、チームはベスト8でイランに2-1で敗れた。鈴木は全5試合に出場し、ミスも絡んで8失点。批判が集中し、SNSでは代表GK失格とまで評された。
「自分がゲームを壊すようなシーンが多く、何もできなかった大会でした。代表でプレーするっていう難しさを改めて感じました。また、この場所に戻って来られるように、やり続けるしかないと思っています」
鈴木にとって、初めてともいえる大きな挫折だった。
