映画のその先にあるもの
映画を見終えて、『トロフィー』のその先を想像する。
ソヒと違って朝鮮学校のスクールカースト下位の生徒たちは、どんな学校生活を送っているのだろうか。花形の部活に属さない生徒のことがもっと知りたい。
また、朝鮮学校の生徒の平壌への修学旅行が復活しているというが、BTSのような韓国の音楽を聴いたら罰せられる北朝鮮の若者と、日本で自由にBTSを聴けるソヒとの差異は矛盾しないのか。北朝鮮の生徒との邂逅も気になる。
そして、学校を卒業して、セーフティスペースから出ていったソヒや友人達には、どんな試練が待ち受けているのだろうか。彼らが生きやすい世の中にするのは、私たち大人の責務だと痛感する。
この映画は、奥行きや余白がたくさんある。「トロフィー」をもらって終わりではない。物語はまだまだ続いていく。
『トロフィー』7月10日(金)よりテアトル新宿ほか順次公開
STORY
在日コリアンのルーツを持つ14歳の少女・ソヒ(恒那)。朝鮮学校に通い、朝鮮舞踊に打ち込む日々を送っている。ある日、日本学校の学生との交流会で出会った未来と、K-POP好きという共通点をきっかけに仲良くなり、ソヒの日常は少しずつ外の世界と交差していく。そんな中、ふたりは推しのK-POPアイドルのライブチケット代を稼ぐために、ソヒの家にある不用品をかき集めてオークションサイトに出品することに。そこで思いがけず高値で落札されたのは、父・サンジュ(井浦新)がかつて聴いていた一枚の北朝鮮のCDだった。それに味をしめたソヒたちは、サンジュが祖国・北朝鮮から授与された”勲章”までも売ってしまう。やがてその出来事は、ソヒが自分自身のことを考える時間へとつながっていく──。
STAFF&CAST
監督・脚本:孫明雅/出演:恒那、ちすん、笠松将、市川実和子、井浦新/2026年/日本/102分/配給:K2 Pictures/©︎2026 K2 Pictures
