特殊詐欺や強盗などで日本を震撼させた、通称「ルフィ事件」。グループの源流とも言える、渡邉優樹が率いた特殊詐欺組織には「接触部隊」と呼ばれる一団がいた。「受け子」に対して詐欺で得たカネを持ち逃げしないよう、脅していたとされる。

 さながら拷問部隊のような手口で受け子たちに恐怖を与えていたという接触部隊の内情について、ノンフィクションライター・栗田シメイ氏の著書『檻の中のルフィ 闇バイトを生んだ者たち』(講談社)から、一部抜粋してお届けする。

書籍より

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受け子を脅していた「恐怖の部隊」とは?

 リクルーターは組織図の上部にあり、そのぶん責任も伴った。例えば、自身がリクルートしたかけ子や回収役がミスを犯したり飛んだりした際、リクルーターが金銭的な補塡をしなければならない。

 組織では現金の持ち逃げが問題視されていた。そんな状況の改善に動いたのが藤田であった。藤田はまず、結果を出していない「ササキ」と「タムラ」を追い落とす。その後、数ヵ月と経たずして、リクルーター部門のトップへと成り代わった。渡邉が見込んだ通り、藤田は有能であった。小島が当時の様子を回顧する。

「この頃、ボスは組織内で神格化されていて、とてもアポ(かけ子)が直接話せる人ではありませんでした。事務所にはたまに顔を出す程度でしたが、すべての従業員がボスをリスペクトしていた。そんなボスと古くからの友人関係にあった藤田は、唯一対等に近い立場で話すことができたのです。

 同時に、藤田はリクルーターとして短期間で結果も残した。箱の運営は各箱長が、リクルートは藤田が、現金の回収は私が担う。組織をこのように細分化したことで、渡邉は自らが指示を出さずとも不労所得を得る立場となったのです」

 後の小島の裁判で印象的だったのが、藤田が立ち上げたとされる「接触部隊」についての供述だ。接触部隊とは、受け子の持ち逃げを防ぐために組織されたチームである。

 藤田が率いたとされる接触部隊は日本で受け子を面接する際、応募者の個人情報などを握り、特殊詐欺で得たカネを持ち逃げしないように脅した。実際に逃げた受け子には、拷問すらも辞さない制裁をくわえた。その様子を撮影した動画を応募者に見せることで、持ち逃げの抑止力にしていたという。

 実際に小島が確認したという動画の内容は次のようなものだ。