不動産購入の資金の出どころに「株」

 韓国では大規模マンションの1階に不動産屋が入居しているケースが多い。ここ1、2年、不動産屋を訪れる30代の人数が増えているという。韓国では不動産購入の際、資金の出どころを必ず記入する決まりがある。前述の経済紙幹部は「ほとんどが株と記入している。給料とローンに加え、株でもうけた金で念願のマンションを手に入れているのだ」と話す。韓国メディアによると、約1億5000万円以上の不動産取得で使われた株式・債券の利得の割合は昨年まで5%以内だったが、今年4月には初めて10%を超えたという。

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 不動産で市民に夢を与えられない政治家も「株ブーム」をあおっている。李在明大統領は自らも株式取引で失敗した経験を語る一方、「公正な株取引」のための環境整備を唱え、ケミ(昆虫のアリ)と呼ばれる個人投資家を保護する姿勢を示している。韓国の進歩(革新)系元国会議員は、李政権の思惑について「市民が株に投資してくれれば、不動産投資の過熱を抑えられる。株で成功して不動産を購入できれば夢も与えられる」と語る。

今はまだ 「株取引で破滅した」という話は多くないが…

 前述の経済紙幹部によると、韓国では最近、子ども用の銀行通帳の発行数が急増している。この幹部は「通帳は株取引に必要不可欠。親が将来の財テクのため、親心で子どもに株取引を学ばせている」と語る。

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 ただ、こうした世界が異常であることは間違いない。韓国経済専門家の間では「政治家がギャンブル的な要素が強い株取引をあおって良いのか」という懸念の声が出ている。

 好調な株式市況を反映してか、韓国ではまだ「株取引で失敗して破滅した」という話は多くない。しかし、前述の経済紙幹部は「株式市場で上がっているのはサムスン電子とSKハイニクスだけ。半導体は今(大きな収益が出る)スーパーサイクルに入っているが、必ず低迷期が来る。そうなれば、株式市場は暴落し、(ソウル中心部を流れる)漢江に飛び込む人が相次ぐだろう」と語る。それでも、他に家を買う手段がない韓国の若い人々は今日も株取引を続けるしかない。

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