“サポートメンバー”吉田麻也の複雑な心境
本人としては、サポートメンバーとしてのワールドカップ参加をどう捉えていたのか。吉田はアメリカ1部リーグのLAギャラクシーでプレーする現役選手であり、コーチと選手の中間のような役割というのは複雑なものではないのか、聞いてみたことがある。
「久々に森保監督から連絡が来たので、それは嬉しかったですよ」
と吉田は答えるにとどまった。
ブラジル戦後吉田は取材に応じ、あらためていくつか率直な言葉を残している。
「最初の1週間は自分のためにやってましたけど、その後はまた立場が変わって、チームがこのワールドカップで結果を出すために自分に何ができるかっていうのを考えて毎日過ごしてきました」
「(現役選手がサポートするのは)新しい試みで、これが本当に正しいかどうかっていうのも色んなフィードバックを重ねていかなきゃいけないと思うし、僕としてはこういう貴重な経験をやらせていただいて、必ず自分の将来に生きると思ってますし、日本の将来に生かしていかなきゃいけないなと」
「やっぱ最初はね、選手としてまだ現役なんで、自分がそこに立ちたいっていう気持ちがすごく強かったですけど、途中から徐々にとにかく勝ってくれっていう気持ちが強くなって。例えば(長友)佑都が試合に出た時とかも、他人が試合に出てあんな喜ぶことってもう2度とないだろって思うくらい喜んだ」
「1ヶ月前まではサポートに入るなんて考えてなくて、こっち(メディア側)でワールドカップに関わるつもりだった。僕は恵まれている」
「森保さんは目標のためになんでもやる」
吉田だから成立しているが、どうしたって現役選手には酷なお願いをしたということが言葉のはしばしから感じられないだろうか。
吉田がワールドカップ期間中もチームと共に行動すると発表された際、名古屋グランパスとサウサンプトンで後輩の菅原由勢は「森保さんは目標のために、なんでもやるんだなと思いました」とその決意の固さに、感心していたことがある。指揮官の決意の固さと、打てる手は全部打つというその姿勢は、選手たちにとっても世界一が絵空事ではなく現実の目標であると知らしめることになった。

