なりふり構わない“主将・遠藤航の離脱劇”

 初戦オランダ戦の3日前、主将・遠藤航の離脱劇もそうだ。遠藤はアイスランド戦で古傷を痛め、モンテレイ合宿では一度も練習に合流できず。ナッシュビルに移動してから合流する予定だったがそれも叶わず、森保監督は引導を渡した。森保監督が遠藤に離脱の旨を伝えたのは10日夜で、チームメイトたちに伝えたのは11日の朝。初戦のオランダ戦は14日、あまりにも直前すぎる。

遠藤航選手 ©JMPA

 森保監督は13日、オランダ戦前日会見でこう説明した。

「自分は本当にひどいことを選手に伝えているな、と思っていました。航自身は話をしている時に、心中は分からないですが、態度としては冷静に話を聞いてくれて。話も冷静にすることができる状態だったと思います」

ADVERTISEMENT

「航が傷つくことはもちろんですが、大切にしている家族、大切にしている航を応援している方々だったり、本人だけでなく、多くの方々を傷つけることをしてしまったと私自身、申し訳ない思いでいっぱいで、謝りたいと思っています。選手に対しての敬意やリスペクトを欠くことなく、チームのために、日本のために決断させていただきました」

 ギリギリまで判断を引っ張ったのは、監督としての権利ではあるが選手側の心情を考えるとたしかにひどい話ではある。とはいえ、世界一という目標から逆算するとなれば、筋から外れたことでもないのかもしれない。また、何より選手たちにもあらためて「監督は何でもするんだ」と“なりふりかまわない”恐ろしさを感じさせる一幕となった。

「世界一」という目標から逆算し、手を尽くしたが…

 ボランチでプレーする遠藤の代わりに招集されたのはFWや攻撃的MFでプレーする町野修斗だった。この際の森保監督の発言も、遠藤の離脱を当初から想定していたかのようなものだった。

「アイスランド戦で起用した瀬古歩夢、板倉滉、アヤックスでは冨安(健洋)も6番(ボランチ)でプレーしていた。他にもポリバレントで複数のポジションをこなせる選手がいるので、すでに埋められる状態でチームを構成していたので補充はしませんでした」

 最初から想定していたのであれば、ギリギリまで判断を引っ張ったのはやはり選手にとって酷な話であり、もう少し早めに判断できなかったのかとも思えるが、やはり目標のためには手札は全て持っておきたかったのだろう。

©JMPA

 全ては世界一という目標から逆算し手を尽くし切ったが、結果は出なかった。2日の会見で、帰国後の予定について「少し休んで、そこからまずは大会の振り返りをしっかりとしなければいけないと思っています」と語った森保監督。世界一になる未来に向けて、すでに「再計算」は始まっている。

次のページ 写真ページはこちら