例2 状況と意図を読めないケース
理由:何を意図して質問されたのかを考えられないので、面接の結果ではなく、面接官の性別を尋ねられていると勘違いした。
例3 会話の流れを読み取れない
理由:「顔色が悪い」「帰ってもいい」の二つの言葉を相手の意図通りにつなげられないので、「顔色が悪い奴は帰れ」と言われたと思った。
短文テキストに慣れすぎてしまった弊害
なぜ、こういう誤解が生じるのでしょう。先生によれば、子どもたちが幼い頃からきちんと〈ことばの力〉を磨いてこなかった上に、SNSを日常のコミュニケーションのツールとして使っていることが影響しているのではないかといいます。
LINEなどでは一行、もしくは単語でメッセージを伝えるのが一般的です。次のようなやりとりです。
当人たちにしてみれば、LINEの中ではこれで成り立っているのでしょう。しかし、相手との対面の会話はまた別物です。
LINEでの単語や短いやりとりは、「短文テキストコミュニケーション」といいます。
これがコミュニケーションの主流になってしまえば、会話の流れの中で発言を読み取ったり、相手の質問の意図を察したりするのが苦手になるのは仕方のないことです。
昔もこういう子たちは一定数おり、「天然」とか「KY」と呼ばれていました。しかし、いまの社会では、こうした子どもたちが犯罪をはじめとした危険なことに巻き込まれるリスクが高まっています。
「おけです」で闇バイトを引き受けてしまう
実際にあった闇バイトの勧誘のLINEでのやりとりが次の通りです。
これを見ると、極端に短縮された言葉の中で、被害者がいとも簡単に犯罪に巻き込まれるプロセスがわかるでしょう。
対面での会話なら、バイトの内容をくわしく聞いたり、報酬が高い理由を確認したりします。相手の風貌や声のニュアンスから、あやしい匂いを感じ取ることもあります。
ところが、SNSの単語や短文でのコミュニケーションでは、そうした情報が省かれてしまうので、細かなことが伝わらないまま交渉が成立してしまう。ゲームのチャットなどを介した児童ポルノの要求なども似たような手口で行なわれます。