なぜロビン・フッドは「非食品」に注力?
ロビン・フッドに懸念があるとすれば、売場の4割とそこそこのスペースを割いた非食品の商品が、実際どのくらいの売上比率になるか、ということだろう。
次の図は、ドンキの過去の商品別粗利構成をまとめたものだ。これまで薄利の食品で集客しつつ、利幅の高い非食品の商品で収益を稼ぐ仕組みを作ってきたことがわかるだろう。
つまり、食品だけをたくさん売ることになると、収益率がかなり悪くなってしまう、ということである。だから、ロビン・フッドは食品の激安性を維持するためにも、非食品をなるべく売らねばならず、そのために4割の広さを割いているわけだ。今後、この売上構成がどうなるのかが、ロビン・フッドの業態確立と成長のカギになるということだ。
話を元に戻し、この一見ドンキよりは地味なロビン・フッドが、なぜPPIHの成長戦略を大きく左右するかを見て行こう。
そもそもスーパー業界は過渡期を迎えている。市場規模30兆円弱の3~4割ぐらいが再編に巻き込まれ、これまで大手の寡占に陥らず中小にも分散していた市場が寡占化に向かう、大再編期に入っている。
その背景は、ざっくりいえば、「(1)物価上昇局面だが価格転嫁が難しい」、「(2)小売業で最も労働集約的であるスーパーは人件費高騰、人手不足で採算が悪化している」、「(3)冷蔵・冷凍・光熱費高騰などにより、インフラ力のある大手スーパーが寡占化を一気に進めるから」である。これからの5~10年にこの再編に乗り遅れると、その後の存続が難しくなる可能性があるのは間違いない。
本当か? と思われるかもしれないが、ここ何年かの大手スーパーの動き方の変化を思い出してもらえれば、納得してもらえると思う。イオンは地域単位の子会社に統合、ほぼ大半の地域でトップシェアを確保して首都圏や京阪神でさらなる攻勢に出る。
トライアルホールディングスは、負債増加を顧みず西友を買収して首都圏に進出した。ヤオコーはブルーゾーンホールディングスを組成して、全国の有力地場スーパーの囲い込みを宣言。ロピアはヨーカ堂店舗の取得やホームセンター連携にみられるように、エリアに関わらない出店を全国で加速させている。
さらにオーケーも関西進出を本格化しつつあり、魚に強みを持つバローはホームセンター大手のコーナン商事と資本業務提携し、関東・関西のコーナン店舗内出店で大都市を強化——こうした大手の動きはすべて、大再編への布石であるとしかいえない。
そんな中で、今や2兆円企業に成長したPPIHがキャッチアップすべきライバルは、何を隠そうイオンしかない。

