データを提供するユーザーは「馬鹿なやつら」

 実際、サンドバーグが主要収益源の広告エンジンを強化し、ザッカーバーグが積極的に製品を拡大させていった結果、フェイスブックはわずか2年でユーザー数を5億人にまで増やし、収益を急激に伸ばした。それに応じて、フェイスブックの評価額はさらに上がっていった。

 とはいえ、ハーバード時代の「ザ・フェイスブック」のときから懸念材料はあった。大学生だったザッカーバーグが友人と交わしたテキストメッセージに「あいつらはおれを『信頼』している。馬鹿なやつらだ」と書かれたものがあり、それがリークされていた。データを安易に提供するユーザーに対する本心があらわになっていて、さもありなん、だった。

 ザッカーバーグは後悔したが、この発言は、社内に安全よりも成長を優先する文化が根を張っている現実を如実に物語っていて、フェイスブックのDNAにも組み込まれていた。フェイスブックは顧客情報の悪用をめぐって数々の問題に直面しても対処してこなかった。

ADVERTISEMENT

 その最たる例が広告システムの「ビーコン」である。外部サイトでの商品購入といったユーザー行動を追跡し、その情報をフェイスブックに反映させる仕組みのソフトウェアだ。フェイスブックはビーコンを「コマース・アラート・システム」として導入したが、どちらかというとストーカー・システムのように感じられた。