集落の入口には境界を示す茅葺きの小さな門が…
菅浦は、滋賀県長浜市西浅井町に位置する。菅浦にアクセスする奥琵琶湖パークウェイは、開通当初は有料道路だったが、現在は無料開放されている。菅浦よりも東側は一方通行になっているため、西側からしか菅浦に入ることができない。
隣町の大浦を過ぎ、琵琶湖に沿って走っていると、菅浦集落が見えてきた。遠目に眺めるだけで、陸の孤島だった立地がよく分かる。琵琶湖に面したこぢんまりとした集落の背後には、急峻な山が迫っている。
集落の入口に、茅葺きの小さな門が建っていた。これは四足門といい、集落の境界を示す物。かつては村の入口4箇所に設置され、人の出入りを厳しくチェックしていた。現在は東西2つの四足門が残っている。
四足門は4つの柱で建っているが、よく見ると門の重心が中心ではないことが分かる。
そして、大きな石が重しとして置かれ、門を支えている。これは有事の際、石をどければ門が倒れ、敵の侵入を防ぐことができる構造だ。のどかな集落に、なぜこんな物騒なものがあるのかと思ったが、それは後ほど明らかになる――。
歴史を感じさせる家屋が並ぶ
四足門を過ぎると、いよいよ菅浦集落だ。直進し、琵琶湖沿いの道を進む。すると、道から琵琶湖へ下りてゆく階段が等間隔に設けられていた。階段は途中から水没している。これは、住人たちが琵琶湖で野菜を洗ったり洗濯をするために設けられたものだ。その後、下水が整備されたため、現在はほとんど使われていないという。
また、琵琶湖近くの家には、例外なく立派な石積みが築かれている。これだけ大きな湖だと、天候次第で高波も発生する。高波から家を守るための石積みだった。
中世から現代に至るまで、菅浦にはずっと100戸前後の暮らしがあったが、近年過疎化が急激に進み、半分の50戸ほどになってしまった。空き家も目立つが、それなりに手入れされている様子がうかがえる。







