最終的には公団が折れた

 粛々と議事が進められ、いよいよ「棟別の建て替え決議」が諮られた。集会に参加できない区分所有者からは「委任状」が集められていた。

 開票がおこなわれ、建て替え決議は……「全員賛成」で可決された。欠陥問題を担当した管理組合の理事は、こう語った。

「高層棟の皆さんは、仮移転が長引き、反対しつづけることにも倦んでおられた。仮移転中に子どもたちは、わが家を知らないまま成長していた。宙づりになった団地が、少しでも前へ動くのなら、と断腸の思いで賛成に回ってくれたんです。高層棟は補修だけど、建物を直した後は、新築と同じ価値を持つと公団側が認め、歩み寄ることができました」

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 最終的に公団は、全46棟のうち20棟・280戸超を建て替え、残り26棟の外壁の剝落や漏水、設備の不具合などへの大規模な補修を実施した。住民への慰謝料や仮住まいの費用も含めて、総額で800億円から900億円を投じたといわれる。

「史上最悪の欠陥被害」は、その後の行政の欠陥対策や法整備に大きな影響を与えた。

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