BPPVは更年期以降の女性に多い

「起きて活動しているときには耳石は落ちにくく、横になっているときには重力の関係で耳石が入り込みやすい。よって、起床時や午前中に症状を感じる人が多いです。ひどい場合は吐き気も伴います。典型的なのは、朝起き上がろうとしたときや、棚の上のものを取ろうと上を向いたときで、数秒から1分程度のめまいが起きます。安静にしていれば石の動きが止まるため、めまいも収まりますが、再び頭を動かすとまた回り出します」

寝起きに襲われやすい ©pixta

 BPPVは更年期以降の女性に多い。

「男女比は1対2で圧倒的に女性。とくに50代以降の女性に多く、女性ホルモンの減少が関係していると考えられています。カルシウムの代謝が落ちるので、耳石がもろくなり、剥がれ落ちやすくなるという説が有力です」

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 ほかにも、日常生活で知らないうちにめまいのリスクを上げている行動がある。

寝返りをあまり打たない人や、枕を使わない人・低すぎる人もリスクが高い。寝ている間に三半規管が耳石器より低い位置に来る時間が長いと、重力で石が三半規管に入り込みやすくなるからです」

頭を動かさないのは逆効果

 BPPVを早期に治すには、耳石を動かす必要がある。

「専門医による、入り込んだ石を元の位置に戻す『耳石置換法』が最も有効です」

 これは、医師が患者の頭を特定の順序で傾けたり回転させたりすることで、物理的に石を三半規管の外へ誘導する方法だ。うまく石が抜ければ、その場でめまい症状が解消する。

「ただし、どの三半規管に石が入っているかを見極める必要があり、これには赤外線CCDカメラなどで目の揺れ(眼振)を観察する専門的な診断が欠かせません。もし自宅でできる対処法を挙げるなら、寝返り運動がおすすめです。寝る前や起きた後に、仰向けの状態から『右を向く』『仰向けに戻る』『左を向く』という動作を繰り返します。朝起きる前と、夜寝る前に10回程度行うと、石が溜まるのを防ぎ、再発率を下げるという報告があります」

《この続きではめまい相談をするべき医師の選び方、聴力の低下も伴う「メニエール病」の見分け方と具体的な対策方法などを角南教授が解説している。現在配信中の週刊文春 電子版および7月16日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

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