平成の“アムラー細眉”から太眉ブームなどを経て、眉メイクは大きく変わってきた。そしていま、一部の10~20代女性の間で、眉を金や白にブリーチしたり、そり落として“ゼロ”にしたりする「眉消しメイク」が広がっている。芝浦工業大学の原田曜平教授は「ここまで尖ったファッションが、相当なボリュームをもって出てきたのは、20年以上の若者研究で初めてだ。一般的な“かわいい”とは異なる装いを選ぶ若者たちの背景には、いまの時代特有の“板挟み”の心理がある」という――。

写真=iStock.com/PonyWang ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PonyWang

渋谷や下北沢で見かける「眉消し」「お歯黒」

いま、一部のZ世代女子の間で、大人の世代なら思わず二度見してしまうようなトレンドが広がっています。

ひとつは「眉消し」。眉をブリーチで金や白に染めたり、そり落として“ゼロ”にしたりするスタイルです。平成の“アムラー細眉”や、太眉ブームを知る世代からすれば、眉を「消す」という発想は理解しがたいかもしれません。ただ、これは“細くなり続けた眉がついに消えた”という一直線の話ではありません。5〜10年ほど前までは自然体の眉を好む女性たちも多く、眉のトレンドはその時々で変わってきました。いくつもの流行の波を経て、いま現れたのが「消す」という選択です。

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もうひとつは「お歯黒」。歯を黒く塗ってSNSに投稿するものです。僕たちの次世代生活研究所で調べた限りでは、今年の成人式でインフルエンサーが投稿したことが話題の発端になったとみられます。

ほかにも、毛先をツンツンに尖らせる「スパイキーショート」、口の中や鼻にピアスをつける「スクランパー」「セプタム」など、昔なら本当にロックバンドくらいしかできなかったような装いを、普通の女子大生が取り入れ始めています。

正直に言えば、これはかなり多くの人がやっているというより、ファッション感度のかなり高い人たちのトレンドです。マジョリティではありません。ただ、それなりのボリュームはいます。渋谷、下北沢、中目黒あたりを1日歩けば、何人かには会えるくらいには広がっています。