「怖くなってやめてと言ったら、やめてくれますか?」

 斎藤被告とA子さんは、15年10月19日から22日までメールでやりとりを続けている。斎藤被告はその際、「いずれこうなる(裁判)状況になることがあると思い、自分にとって有利になりそう」という理由で、そのメールのやりとりをフォルダに保存していた。

A子さん 殺人とバレたらやばいので、首吊りに見せかけたほうがいいのでは?
斎藤被告 首吊りはうまくいくと思う
A子さん 楽しみにしています
斎藤被告 空いている日は限られる
A子さん ちゃんとうまくいくように、苦しむことなく殺してほしい。楽に殺してほしい/怖くなってきました。だから心の準備ができたら、でお願いします/睡眠薬で深く眠ったら、首を絞めてもらって、死にたい/怖くなってやめてと言ったら、やめてくれますか?
斎藤被告 大学に通っているのは立派です。先はまだあるように思います

 メールの中で斎藤被告は積極的に自殺を促すことはしていないが、止めることもしていない。当時の心境について「(止めようとは)思わない。自殺掲示板で出会ったので、やめた方がいいとは思いませんでした」と供述している。

「その薬は、元交際相手から譲り受けたものです」

 事件の決行日、斎藤被告とA子さんはA子さんのアパート近くで待ち合わせをした。A子さんは落ち着いており、アパートに着くと斎藤被告に対して荷物検査を要求したという。

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「A子さんは、僕に襲いかかられる懸念があったのではないでしょうか。写真を撮られることも気にしていた。そして部屋へ入りました。部屋にロープがあるか確認したのですが、用意できていませんでした。そのため、『代用品でもいい』と言っていましたので、家の中で使えるものを探しました。また遺書を書き、署名と捺印もお願いしました。遺書の内容は、動機を強調するほうがいいとメールで言っていました。書き終えるまで座って待っていました」

 遺書を書き終えたA子さんに斎藤被告が「今日は時間をとっていただきありがとうございます」と言うと、A子さんは「こちらこそです。タダでこんなことしてくれる人がいてラッキーです。苦しそうならやめてください」と話したという。

 そしてついに、斎藤被告に促されてA子さんは睡眠薬を飲んだ。斎藤被告は、自身の言動を冷静に記憶していた。

「その薬は、元交際相手から譲り受けたものです。このために入手したものではありません。(この薬の効果は)ネットで調べました。薬自体での殺害は考えていませんでした」