自殺願望のある女性の殺害を繰り返した斎藤純被告(32)に対して、承諾殺人などの罪で懲役10年の判決が言い渡された。

 A子さん、B子さんという2人の女性とインターネットで出会い、殺害した斎藤被告だが、「殺人衝動」を抱えていたのは小学生の頃からだったという。

 斎藤被告はその衝動の由来について「わからずじまい」と証言していたが、中学生の頃にはその衝動が明確になっていた。

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写真はイメージ ©︎yamasan/イメージマート

「突然襲うのはよろしくないと思いました」

「毎日、衝動を感じていたが、日によってムラがある。ひどいときは他のことも考えられないくらいになる。煩わしく、不快なもの。考えたが、(衝動を取り除くための)有効な対策はない」

 斎藤被告が証言した中学生時代の行動は、後の犯行を連想してしまうような明らかに常軌を逸したものだった。

「常日頃から散歩をし、行き当たりばったりで人の後をつけた。刃物やひもを持っていたことがありました。襲いかかることができれば、襲いかかろうと思っていました」

 中学生の間には実際に、百円ショップで買った刃渡り10センチのカッターで同級生の首を刺す“事件”を起こしている。

「公園に呼び出し、会話をしている間に後ろから羽交い締めにして、首を刺しました。首の硬いところに当たり、(カッターが)止まりました。同級生が病院に行ったのかどうかはわかりませんが、翌日は首に包帯を巻いて登校してきました」

 このとき、警察に被害届は提出されなかった。このとき事件にならなかったことが、ある種の成功体験になってしまった可能性はある。

 さらにその後には、路上を歩いていたスーツケースを持つ女性の後をつけて襲ったこともあるという。

「(女性の)口元を押さえたところで、『やめてください』と言われました。そうだよなと思い、最後までやりませんでした。突然襲うのはよろしくないと思いました」

 このときも警察に被害届が出されなかったという。この2つの事件を経て、斎藤被告は「生きようとする人を殺すことはやめよう」と思ったという。

 その後、自殺願望者の存在やインターネット上の自殺掲示板を知り、A子さんを殺害。しかしA子さんの死亡を見届けられなかったことで次の自殺願望者を探しはじめ、B子さんとつながった。

 B子さんとは少なくとも17年11月頃には連絡を取り合うようになっており、18年1月までTwitterのダイレクトメッセージ(DM)機能を使ってやりとりを繰り返した。裁判で検察が示した分量は、印刷するとA4で140ページにもなる膨大な量だった。

 B子さんは斎藤被告に「11月8日に死にたい。それが無理なら、11月16日に死にたい」というDMを送っており、自殺願望からネットで知り合った斎藤被告に殺されてもいいという心情になっていたことがうかがえる。