一度目に予定していた11月16日はキャンセルされたが、2週間後の11月30日に斎藤被告とB子さんは上野で顔を合わせている。「ネット心中」では、実行行為の前に“オフ会”と称してカラオケボックスなどで顔を合わせるケースがある。B子さんの中に、生死をかけた行為の相手がどういう人間なのかを見極めるという意味があったのかもしれない。

「会話が進んだので友達感覚で遊んでしまおうと思いました。上野で会って、内緒話をする場としてちょうどいいので不忍池のボートに乗りました。そこで(承諾殺人の)事件についての話をしました。具体的には覚えていません。その場でB子さんから『やめます』といったことは持ちかけられていません。B子さんは淡々としていました」(斎藤被告)

写真はイメージ ©︎kriver/イメージマート

 ボートを降りた後、2人は百円ショップへ行った。

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「メジャーを買いました。そして、カラオケボックスで『(承諾殺人の)のちに(遺体を)解体するので、体のサイズを測らせてほしい』と言いました。その後、食事をしたかもしれません」

 そして、B子さんは一度はキャンセルした承諾殺人を決行することを決め、1月4日という実行日も決まった。しかし、その理由も驚くべきものだった。

「自分の部屋で(承諾殺人を)することになりましたが、私は実家暮らしで、両親は自営業者。1月3日までは両親が家にいるためです」

「最終的に脱がせないといけない。ワンピースは脱がせやすいから」

 事件当日、まだ世の中はお正月気分も抜けないなか、斎藤被告とB子さんはさいたま市内の神社で待ち合わせをして斎藤被告の家に向かった。

「家に着いたら、B子さんにはトイレに行ってもらいました。お風呂の用意もしました。私は外に買い出しに行きました。その間、実家にはB子さんのみでした。部屋に戻ると、B子さんはテーブルの前で座っていました。そして薬を渡し、遺書を書いてもらうことにしました。A子さんと同じように署名、捺印もしてもらいました。その遺書を封筒に入れて保管しました。保管したのは、何かの機会に家族に渡せればいいと思っていたためです。そして、『飲んだら実行しますし、飲まないなら解散で大丈夫です』と言いました」

 この日、斎藤被告はB子さんのためにワンピースの着替えを用意していた。殺害後に遺体をバラバラにすることをすでに計画しての冷徹な用意だった。

「お風呂から上がった後に着てもらうためです。最終的に(解体するため)脱がせないといけない。ワンピースは脱がせやすいから」

写真はイメージ ©︎show999/イメージマート

 睡眠薬を飲んだB子さんをベッドに寝かせると、斎藤被告は約1時間後にポラロイドカメラで写真を撮っている。この写真も、「承諾」の証拠として保存している。