自殺願望のある女性の殺害を繰り返したとして承諾殺人などの罪に問われていた斎藤純被告(32)に、7月17日のさいたま地裁で判決が下った。「承諾殺人の中でも、最も悪質」(井下田英樹裁判長)として懲役10年の実刑判決を言い渡された。

 起訴状などによると、斎藤被告は2015年10月、横浜市の女性A子さん(当時22歳)の家でA子さんの首を絞めて窒息死させた。また18年1月には、さいたま市の自宅で別の女性B子さん(当時21歳)を絞殺している。斎藤被告は起訴内容を認めており、被害者はいずれも、インターネットの掲示板やSNSなどに自殺願望を書き込んでいたという。

写真はイメージ ©︎yamasan/イメージマート

 斎藤被告が問われた「承諾殺人」とは、被害者の同意を得て殺害する行為を指す。自殺幇助と似ているが、自殺幇助では死に至る行為をするのはあくまでも本人であり、自殺に使う道具を与える、方法を教える、場所を提供するなどの行為が該当する。

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 一方で承諾殺人は本人の自死を助けるのではなく直接死に至らしめる罪で、「殺してほしい」と頼まれたり、「殺していい」と同意を得たうえで殺害行為に及ぶことをいう。

 類似の事件では、2017年に座間市内のアパートで白石隆浩・元死刑囚(執行済)が男女9人を殺害した事件があるが、斎藤被告の1つめの事件は座間事件が発覚する前に起きている。

「世の中に『自殺志願者』がいることを知り・・・」

 被告人質問から、事件の詳細を振り返る。斎藤被告は、1人目のA子さんとはインターネットの自殺掲示板で、2人めのB子さんとはTwitter(現在のX)で知り合っている。

「世の中に『自殺志願者』がいることを知り、『死にたい』という前提の人を探しました。そして、インターネットの自殺掲示板を見つけたのです。その掲示板には、死ぬことが前提の人がアクセスしていました。そこには居住地、年齢、方法、性別なども書かれていました。その中でも、関東圏からアクセスしている人を探しました。性別は気にせず5~6人に接触しました」

 斎藤被告は、5~6人の自殺願望者に対して『心中を希望していると思いますが、ご一緒はできませんが、自殺のお手伝いや看取りを考えている』とメッセージを送った。その中の1人が、A子さんだった。座間事件の犯人が自殺願望者に接触したのは“ナンパしやすいから”という理由だったが、斎藤被告は最初から殺人目的だった。

「4人目までは、話をしただけで落ち着いた人や、(亡くなる手段などに)こだわりが強い人がいました。A子さんとは、電子メールでのやりとりを繰り返しました」