自殺願望のある女性2人を殺害したとして、承諾殺人などの罪に問われた斎藤純被告(32)は7月17日にさいたま地裁で懲役10年の判決を受けた。「承諾殺人の中でも、最も悪質な部類に属する」と被告を非難する判決文が読み上げられる間、斎藤被告は目を大きくあけて裁判長をじっと見つめた。判決が言い渡されても表情を変えず、証言台で軽く頭を下げた。

写真はイメージ ©︎yamasan/イメージマート

 この日の斎藤被告は、これまでの公判と同じく後ろで髪を結び、緑のTシャツとグレーのチノパン姿で法廷に現れた。足元は靴下は履いておらず裸足だった。入廷すると、開廷前には傍聴席をチェックするように見ていた。

 これほどの重大事件だが、発覚のきっかけは窃盗容疑による家宅捜索だった。斎藤被告は、駅などで歩いている人のリュックの脇ポケットに入っているスマートフォンを盗むなどの窃盗を6件繰り返し、25年5月に逮捕された。斎藤被告の自宅の家宅捜索で、A子さんの髪の毛やB子さんの頭蓋骨などが見つかったのだ。

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 A子さんの死亡は当初は自殺として扱われており、父親が事件性を疑ったものの、神奈川県警の判断は「総合的にみて自殺の可能性がある」というものだった。その後、捜査の過程で自殺ではないことが判明し、警察が遺族に謝罪している。

「承諾殺人の中でも、最も悪質な部類」

 検察側は斎藤被告の悪質さと同時に、自宅で犯行が行われたなどの両親の監督体制の脆さを指摘し、懲役13年を求刑していた。

「2022~25年の間に、被告人はさいたま市内などでスマホの窃盗を6件繰り返した。(中略)この窃盗が発覚しなければ、殺人も発覚しなかった可能性がある。しかも、B子さんへの犯行は、両親のいる家で行われた。そのため、両親が監督できるとは限らない。自身の殺人願望を実現するための犯行であり、悪質性が高い」

 それ以外にも、あらゆる角度から悪質性を主張している。

「犯行動機は、自己の殺人願望を満たすためであり、希死念慮を抱いている者であれば殺害は実行しやすく、発覚も免れやすいと考えた」
「人命を軽視した特異なもの」
「自殺を具体的に実行するまでには至っていなかった被害者らに対して、被害者らの弱っている気持ちに寄り添うかのようなメッセージを送って安心させつつ、具体的な準備や方法を提示した」

 そして「承諾殺人の中でも、最も悪質な部類に属する」という理由から懲役10年という判決が下った。