1カ月後、家族はB子さんと面会した。
「娘だけが変わり果てた姿でした。なぜ、こんな姿にさせられなければならなかったのか。なぜ標的になってしまったのか。しかし、すべてを知りたい。その思いで被害者参加をしました。被告人の話を聞いていると、まるで他人事でした。後悔していない。罪悪感はわからないと言っていました。自分の欲求を満たすために行動し、娘の命は、その欲求を満たすために奪われた。犯人には一生をかけて償ってもらいたい」
「罪悪感について考えてきたが、今でも解決していません」
一方の斎藤被告側は、裁判の中で2人を殺害した起訴事実を認めたうえで、「遺族側が怒り、悲しみ、憎しみが生じるのは当然のこと」と述べた。
しかし同時に、被害者2人が殺害を承諾していたことなどを指摘し、量刑については「考慮すべきだ」という主張も繰り広げている。
「A子さんが被告人に『楽しみにしています。場所はどうしましょう』、『掲示板の書き込みは消しておきました』などとメールを送っている」
「A子さん自ら、自殺に見せかけることを考えていたことがわかる。また、『睡眠薬を飲んで寝ている間に首をしめてほしい』と、被告人が思いついていなかった方法も提示していました」
「B子さんは『やはりやめようと思います』と一度、中止しようとした。しかし、上野で被告人と会い、自身の希死念慮を実現するため、被告人に援助を求めた。犯行当日も、被告人宅に行った際、被告人は買い物のために外出した。B子さんは部屋で一人になり、逃げることもできた」
つまり、被告人が積極的にA子さんの気持ちを導いたり殺害方法を被告人が提示したわけではなく、B子さんに対しても強制していない、という主張だ。
斎藤被告自身は、裁判長から論告前に「これまでの審理を踏まえて言いたいことはありますか」と問われ、「ありません」と答えている。
しかし、論告後の最終意見陳述では「自分の中の衝動を実現したいと思い、実際に2人を殺してしまいました。罪悪感について考えてきたが、今でも解決していません。これから自分でも向き合っていきたいと思います」と述べた。
懲役10年の判決が確定するか、控訴され裁判が続くか。控訴期限は7月31日に迫っている。
◆◆◆
【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。
