サウナが「ショールーム」に
「後に温泉施設の方の話を聞くと、早いうちからインフィニティチェアに目を付けていたそうなんです。アウトドアで使えるということは、水に濡らしてもいいと考えたそうで。そこにプラスして、座り心地がよいことで広がっていったと聞いています」
サウナ施設側としてもシート部分にメッシュが使われていることで、濡れた人間が座った後でも水はけがよく、かわきやすく手入れしやすいことは利点だった。当初はサウナでの利用は想定していなかったが、アウトドアで雨に濡れても大丈夫な仕様だったこと、カビがわきづらい点などが、結果としてサウナに合ったわけだ。
「サウナでの利用についてはこちらから仕掛けたということは一切ないんです。最初にサウナで導入してくださったのは大阪の大東洋さんではないかと、サウナインフルエンサーさんから聞きました。
温浴施設さんは中小企業が多くて、横のつながりが強い。それも広がった理由だと思います。インフィニティチェアを置いていると顧客満足度が高くなる、お客様同士が取り合うこともあるそうです」
コロナ禍のサウナブームも重なって、ととのい椅子としてのインフィニティチェアの存在は瞬く間に全国のサウナーへ知れ渡った。
サウナ施設での売上自体は、全体から見れば決して大きくない。むしろ大きいのは、サウナで体験した人が、自宅用に買っていく流れだ。
「サウナ、水風呂と入りフラフラの状態で、リラックスしたいと思っているところで座る。その時の椅子に満足できたことで『じゃあ買おう』となる。マーケティングでいう認知があって、体験があるというフローが我々の想像していないサウナで実現できていたんです。
サウナを通して、1日数百人、それ以上の人がインフィニティチェアに座り、その良さを知ってくださっている。それだけの数の方に体験していただくことは、小売店ではなかなか難しく、ありがたいことです」
「もっと頑丈にしてほしい」という声もあるが……
サウナ施設からは「もっと頑丈にできないか」という声もある。サウナ施設では多くの人が高頻度で使用するため、家庭やキャンプでの使用以上に大きな負荷がかかることがあるからだ。だが、サウナ特化型を作る予定は今のところないという。
「業務用途に合わせて耐久性だけを高めると、重量が増加したりと、かなりオーバースペックな製品になり価格も上がります。我々は一般のお客様にとっての使いやすさ、持ち運びやすさ、価格とのバランスを大切にしたいと考えています」
発売から8年。インフィニティチェアは今もコールマンのチェアで売り上げトップクラスを誇る。究極のリラックスを目指した椅子は、想定外だったはずのサウナで、きょうも新しい客との接点を作り続けている。
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