「このランタン、いいなあ。欲しいなあ」「もうランタン持ってるじゃん!」「いや、今持ってるヤツは◎◎◎だけど、これはここが×××で……」。
キャンプブームが一向に衰えを見せぬ中、日本中のキャンパー家庭でひそかに過熱している問題がある。それはキャンプギアへの物欲が爆発してしまった夫と、家計のためにそれを阻止する妻との熾烈な攻防である。
なぜ男の「キャンプ愛」は暴走してしまいがちなのか。
「私だってキャンプは大好きだけど、正直ついていけない」。夫がキャンプ沼にハマった妻たちの“本音”とはーー。
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初キャンプでいきなり新しいテントをポチった夫
思えば、その「兆候」は最初からあった。
札幌市在住の主婦ブロガー、RINさん(http://rinrin194.blog.jp/)一家がキャンプを始めたのは、コロナ禍が始まる前のこと。夫は「朝起きるとまずゲームの電源を入れる」根っからのインドア派だったが、子どもたちに自然と触れ合う面白さを教えるいい機会かも、とキャンプデビューを思い立った。
「最初は価格も手頃で、初心者に最適というロゴスのテントで行ったんです。値段は3万6000円ぐらいだったと思います」
評判通りテントは快適で、初めてのキャンプは思いの他、楽しかったのだがーー。
「夫がお隣さんが張ってたトンネルみたいなテントを『あれ、いいなぁ』とじーっと見てたんですね。私も今のテントってこんなオシャレなんだ、って感心はしてたんですけど」
それは、独創的なデザインに定評のあるDODが誇る超人気テント「カマボコテント」だった。キャンプから帰宅後、夫は早速RINさんに「カマボコ、どうかな?」と“探り”を入れてきたという。
「『ロゴスがあるでしょ』とは言ったんですが、ポイントとか使えば意外と安く買えるよ、と押し切られてしまって」
結局、最初に買ったロゴスのテントは1回使っただけで「お蔵入り」となった。