「夏の電気代が高いと、真っ先にエアコンを悪者にしがちですが、家庭のエネルギー消費において『冷房』が占める割合は、年間でわずか4.6%に過ぎません。半分以上を占めているのは『暖房(24.9%)』と『給湯(27.0%)』です(※3)。つまり、直接『熱』に変える需要こそが、家計を圧迫している大きな要因のひとつなのです」
※3 資源エネルギーエネルギー動向(2026年7月13日更新)
敵は夏場のエアコンではなかった
夏場であっても、この「熱需要」に無自覚なままでいると、思わぬところで電気代を浪費することになる。その代表格が、梅雨時にはありがたい浴室乾燥機だ。
「一般的な電気ヒーター式の浴室乾燥機を、夜間に5時間運転させたとします。1日あたりの電気代は約185円。これを1年間続けると、約6万7000円という莫大な金額になります。浴室という広く、密閉性もさほど高くない空間を、電気ヒーターで丸ごと温めるわけですからロスが大きいのは当然です」
もし浴室乾燥をやめヒートポンプ技術を持つ最新のドラム式洗濯乾燥機に変えれば、1回あたりの電気代は25円程度。浴室乾燥機と比べると、年間で約5万8000円の節約になる。
中村さんによると、最近はニトリや中国ハイアールグループのAQUAなど、コスパが良い高機能なヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機が増えてきたという。洗濯物を干して取り込むという労働時間のカットも含めれば、十分に投資する価値があると言えそうだ。
電気代がよりかさむのは「熱需要」。これはすなわち、年間を通してみれば、夏よりも圧倒的に冬の方が、電気代がかさむということだ。
筆者も今回の取材に当たり、過去の電気料金の支払い履歴を確認して改めて気づかされたことがある。夏の1万8000円ごえもなかなかの衝撃だったが、数カ月前、今年の2月の電気代は、あっさりと2万8000円を超えていたのだ。
わが家の夏の電気代は、断熱性が低い一軒家ゆえのエアコンフル稼働と思われるが、データで見れば冬が本丸であることは明らかだ。この点に関しては、中村さんも常々警鐘を鳴らしているそうだ。