ローコスト住宅メーカーの徹底したコスト削減は、職人の質や現場の過酷な労働環境に直結している。そのしわ寄せはもちろん営業担当のも及ぶ。彼らはどのようにコスト削減の煽りをお客様に納得してもらっているのか……。屋敷康蔵氏の『住宅業界ぶっちゃけ話』(清談社Publico)の一部を抜粋し、数々のエピソードを紹介する。

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ローコスト住宅メーカーはどこをケチっているのか?

 住宅メーカーが他社より大きな価格差で安くお客さまに住宅を提供する場合、どんな策を練っているか? お客さまのなかには「欠陥住宅なんじゃないか?」「手抜き工事なのでは?」などと思われる方もいるかもしれないが、どんなに安い住宅であっても、みなさんが思っているほど「欠陥住宅」なんてものはそうそうあるものでもない。

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 ……などと書くと、住宅の「欠陥」を見つけることを商売としているホームインスペクション(住宅の施工や劣化等を診断する)系の会社からすれば、「いやいや、住宅の7~8割には施工不良がある! ローコスト住宅なんて、なおさらのことだ」などといってくるかもしれない。

 まぁ、どの程度を指して「欠陥住宅」と定義されるかにもよるのだが、住宅というものは、材料はたとえ工場で生産されてきたものであったとしても、やはりそこには人の「手」が介入してつくられていくもの。釘の一本や二本の打ち忘れ等は存在しない家のほうがめずらしいのが現実である。ただ、それはちょっとした見落としであって、そこに「悪意」などは存在しない。

 もちろん新築なのに、屋根の雨漏りや、コンクリートの不適切な管理による基礎のひび割れ等は論外の話である。いまはそういった欠陥が少ないだけに、発覚すると非常に目立つ事件となる。そういう事象がテレビ等で報道されると、まるで世の中の住宅業界全体で「欠陥住宅」が頻発しているようなイメージを持たれてしまうが、決してそんなわけでもない。

 いまの住宅はお客さまが引き渡しを受けたあとに欠陥が見つかった場合に、施工会社は無償で補修する責任が発生する「瑕疵担保責任」(住宅の基本構造部分である基礎や柱や梁、屋根や窓の10年間の責任を持つ)があるため、瑕疵担保保険への加入が義務づけられている。

 この瑕疵担保の保険が申し込まれれば、当然、保険会社を通して保険会社が定める基準以上の厳しい検査も検査会社が実施することとなるわけだ。