週末の住宅展示場に行くと、「QUOカードプレゼント」や「無料FP相談会」など、魅力的なイベントが数多く開催されている。しかし、そこに集まる客層や“無料”のカラクリには、住宅業界のシビアな裏事情が隠されている。

 ここでは、住宅メーカーに勤務していた屋敷康蔵氏による『住宅業界ぶっちゃけ話』(清談社Publico)の一部を抜粋。住宅購入を考えている人が知っておくべき「無料イベント」の恐ろしい罠を紹介する。

©Zoey/イメージマート

◆◆◆

ADVERTISEMENT

住宅業界の刺客「ファイナンシャル・プランナー」

 住宅メーカーでは毎週のように集客のための「イベント」を開催している。だいたいが土日祝日やゴールデンウィーク、正月休みなどの連休に開催されることが多い。その企画を考える支店、営業所としては、これが結構大変なことでもある。ただ毎週毎週、目新しい企画など考えられるはずもなく、だいたいパターン化してくるもの。

 まず、どこでもやっているイベントが「住宅相談会」。とくに斬新な企画ではなく、ただたんに住宅メーカーで住宅の相談ができるというもの。そもそも住宅メーカーは住宅の相談をしに行くところであって、いわば毎日が住宅相談会のようなもの。

 それと多いのが「不動産相談会」。これは土地の仲介をしている街の不動産会社が、その日だけ住宅メーカーに間借りし、土地から探しているお客さまに土地をご紹介するもの。

 ただ不動産会社が来ているとはいっても、そこには目新しい掘り出し物の土地など存在しない。なぜなら、インターネットやタウン誌等であらゆる物件が閲覧できるようになっているこの時代、そこに掲載されていなくて、不動産のオヤジが極秘に隠し持っている掘り出し物などあるわけがないからだ。

 あとはニンジンをぶら下げて集客を図るようなイベントである。バレンタイン時期には「チョコレートつかみ取り」、クリスマス時期には契約者だけ当選するしくみになっている「クリスマス大抽選会」、それと最近よくある初回来場者限定の「QUOカード○○円分」「マックカード○○円分」「新潟コシヒカリ○○キログラム」などがよくある集客ツールである。

 ただ、こういった景品にはいろいろ問題もある。どういうわけか住宅の購入計画の本気度の高いお客さまほど景品などにあまり興味を示さず、計画などさらさらない来場者ほど血眼でもらいに来ることが多いからだ。だからイベントの広告には小さく「※」付きで「初回来場者に限ります」「1世帯1点に限ります」などと記載されている。