世の中に無料のものなどないと考えたほうがいい

 そのFP相談会ではあるが、お客さまには光熱費や電話代の領収書、現在検討中の当社の見積書、現実に加入している保険証券等を当日持参していただくことになる。そして、ひととおり光熱費の見直しや節約方法等を教わったりし、その流れで当社の見積もりも筋書きどおり、「この計画なら何も心配いりません、大丈夫です!」と太鼓判を押してもらうわけだ。

 さらにFPの個人的な意見として、「いろんなお客さまの相談を受けてきましたが、この会社は絶対無理な提案はしない……担当の○○さんも、この営業所でいちばんお客さま思いの営業。お客さまは当たりです」と資金以外のこともアピールしてもらう。そして最後にFP本来の仕事、「保険の見直し」である。

©mapo/イメージマート

 本来、保険会社に所属するFPの先生も、ここで保険の契約を取らなくては飯の食い上げになってしまう。ただ住宅購入の計画や生活支出の見直しを親身にアドバイスしてくれた目の前のFPに疑いの余地などなく、保険の契約など、たやすい話なのだ。

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「FP相談会」が終わり、個室から出てきたFPとお客さまに、こちらから「どうでした?」と感想を聞けば、FPとお客さまは、お互いに目を合わせ、「秘密」といわんばかりの意味深ニッコリ笑顔。

 それを見て住宅営業マンも「仕上がった」と確信する。当然といえば当然の話だ。FPには当日の日当まで払い、保険のビジネスチャンスを与えているのだから。

 ちなみにこの「無料FP相談会」というものは、住宅メーカーにかぎらず、街中のいたるところで開催されている。家計のドクターが無料で相談に乗りますと30分、長いと1時間近くも時間を取ってくれるわけだが、最終的に「ゴミ保険商品」を売りつけられて終わることが多い。人はみんな「無料」や「サービス」という言葉に弱いものではあるが、基本、世の中に無料のものなどないと考えたほうがいいと私は思っている。

 住宅業界にかぎらず、保険業界でもどこでも同じく、企業というのは、どうしたら気づかれないようにお客の財布からお金を抜き取ることができるか? ということを、つねに考えている。「タダより高いものはない」というのが、この世の真理だろう。

次の記事に続く 予算のないお客さまには「ボンビースペシャル」…注文住宅に手が届かない客向けに住宅メーカーが用意していた“残酷すぎる夢のマイホーム”とは