実際にクレームにもなったことがあるのが…

 こうしたことからも、この時代、わずかな原価をケチって欠陥住宅をつくるメリットなど住宅メーカーには存在しないということである。ただ欠陥とはいわないまでも、たとえばクロス(壁紙)の仕上がり等は職人さんの技術でばらつきを正直、感じることもある。

 これは構造的なことで、「欠陥」ということではない。単純に仕上がりが「雑」だということ。

「ローコスト住宅=欠陥住宅なのではないか?」という疑念は、じつはこういうことの集積から生まれてくることが多い。

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 ローコスト住宅メーカーが経費を抑えるためにやることのひとつに「工期短縮」がある。

 当たり前だが、2000万円の請負工事を半年かけて終わらせるより、3カ月で終わらせたほうがコストは抑えられる。他方、通常より工期を早めれば、現場管理は雑になる。ましてや、いまは現場監督が複数の現場を担当していることが多いので、なおさらのことである。

 もうひとつが「人件費」。住宅メーカーにとって下請け業者との単価交渉も重要な仕事。

 1円でも安く請け負ってくれるよう交渉するのが腕の見せどころでもあるのだが、「交渉の末に単価を下げてくれる業者」と「もともと単価の安い業者」では大きな違いがある。

 そして、とくにローコスト住宅メーカーの場合は後者の「もともと単価の安い業者」に依頼してしまいがちなのは否めない事実。そりゃそうである……単価の高い業者にしぶしぶいやな顔をされながら引き受けてもらうより、もともと単価の安い業者に快く引き受けてもらうほうが、こっちとしても楽だからだ。

 しかし、単価の安い業者は雇われている職人の単価も安いのは当たり前のこと。単価の安い職人というのは基本、仕事に対して安いなりの手間しかかけなかったり、経験の浅い職人も多かったりする。仕事の出来だけのことならまだしも、「常識」としての現場教育を親方から受けていないケースがたまに見受けられたりもする。

 実際にクレームにもなったことがあるのが、タバコの吸い殻のポイ捨て、仮設トイレがあるのに現場で立ちションベン……施主が見ていなくても、近隣住民から見れば、そんな職人を使っている住宅メーカーのレベルに疑いを持たれてしまうことだろう。

「ローコスト住宅だからといって欠陥住宅ではない!」と声を大にしていいたいところだが、実際、単価の安い業者を使うことで建物全体の質を落としてしまうことがあるのは否定できない事実でもある。