随行団には“あの財閥”のオーナーが……
合意内容には、他に「金正恩委員長の近い将来の訪韓」や南北交流からの「民族経済のバランスのある発展」などが盛り込まれたが、
「金正恩委員長の訪韓については、文在寅大統領が口頭で、『突発事項がなければ年内』と断言していますから、年内を目標に動くでしょう。米朝交渉がうまくいけばソウルで南北、そして米国の3カ国の首脳が終戦宣言を行う可能性も浮上しています」(同前)。
金正恩委員長の訪韓が実現すれば、朝鮮戦争以来、初めて北朝鮮の指導者が韓国を訪れることになる。
「民族経済」などについては、南北を連結する鉄道および道路の着工式や離散家族がいつでも面会できる常設の面会所の設置などが掲げられていたが、やはり、目玉は「民族経済のバランスある発展」だろう。
今回、総勢200人近くに上った韓国からの随行団の中には、サムスン、LGなどの4大財閥の経営陣が顔を揃えた。特に、崔順実事件により最高裁判所で係争中のサムスンからは初めて事実上のオーナーが訪朝した。その李在鎔副会長の平壌行きを巡っては、「青瓦台が要請した」、「北朝鮮が要望した」や「時期尚早」、そして「文大統領は自身の原則から逸脱した」など囂(かまびす)しかったが、これには、金正恩委員長が「投資の決済ができる人物を連れてきてほしいと要請した事情がある」(別の記者)といわれている。
それにしても、時の政権によって振り回されるという点では、「企業人はつらいよ」だ。
今回の南北首脳会談の成果を、一般の韓国人は……
今回の南北首脳会談について、韓国の人たちの反応は「平和の始まり」(50代主婦)という声もあるが、こんな声も。
「金正恩が韓国に本当に来るかは、その時にならないと分からないでしょう。なんでもそうですよ。恒久的な平和と言っていても、それは北朝鮮が約束を守ればの話で、これまで何度もだまされてきたから、実際にその日が来ないことにはなんともいえません」(60代、会社員)
24日には、文大統領とトランプ米大統領がニューヨークで顔を合わせる。
また、ポンペオ米国務長も25日からニューヨークで開かれる国連総会に合わせて北朝鮮の李容浩外相に会談を打診し、さらに実務者レベルの米朝協議を国際原子力機関(IAEA)の本部があるオーストリアのウイーンで行うことを北朝鮮に提案したと伝えられた。
日本は指をくわえて見ているだけ、か?