「自分、この仕事向いてないな」

――仕事はどうでしたか。

ジェシカ 最初は頑張れたんですが、「自分、この仕事向いてないな」と気づいてしまって。毎日同じことを座ってこなすのがすごくストレスで。周りの方はいい人ばかりだったんですけど、個人プレイで黙々とやるタイプの方が多くて、会話も少なかった。それが影響したのか、着飾ろうとか、どこかに行こうって気持ちがなくなって、家から出なくなって。「すっぴんでいいや、着るものもどうでもいいや」という毎日を送っていましたね。

 

 お母さんとのケンカも絶えなくて、毎日怒鳴り合いになっていて。生真面目で典型的な昭和親父な思考の母と私では、根本的な価値観が違いすぎるんです。日本育ちとコンゴ育ちというだけでも中々考えが合いません。

ADVERTISEMENT

 高校生まではほぼ部活と学校の生活だったし、中和剤だった弟もいたのでなんだかんだうまくやれていたのですが、社会人になって一緒に過ごす時間が増え、2人での生活となると衝突がふえました。

「仕事は行くのが当たり前、体調が悪くても行くのが当たり前」という母が抱く仕事への考えと、私が感じていたしんどさとの間に、大きなギャップがありましたね。

 今は好きなことができるようになったので心の余裕が生まれて、衝突や過干渉もなくなり穏やかになりましたが、すごくしんどいときに全く理解してくれなかったなぁと結構根に持ってます(笑)。

 当時はとうとう自分の部屋から出られなくなって、お風呂にも入れない、ベッドから起きられない状態になって。自分でもさすがに「これはまずい」と思いました。

――そこからどう抜け出しましたか。

ジェシカ ある日、会社に「今日行けないです」と電話したんです。そうしたら上司の方が心配して、家まで来てくれて。散歩に連れ出してもらって、少し話をして。「一回休んで、好きになれることを見つけてみたら」と言ってくれました。

 1ヶ月ほど休職して、「私はなぜこんなにモヤモヤしているんだろう」と思い当たることをノートに書き出しまくりました。そうしたら、やりたいことに挑戦すらできていない状態がずっと続いていたってことが、自分の中でクリアになって。「じゃあ挑戦してみよう」と。

 まずパンが好きだからパン屋で働こうと思って。それで気持ちが少し楽になってきたら、次はやりたかったウィッグショップで働こうと。その中で、SNSでも自分のことを発信してみようと思い立ったんです。今年4月から原宿のウィッグショップで働くようになって、いろんな人と会うようになりました。家にこもりがちだったんですが、ようやく外に出始めた感じですね。お世話になった会社には、3年間いました。