使っても、また入る。使っても、また入る。これが「減らない財布」です。一方、65歳からそのまま年金を受け取ると、生活費に少し足りないケースが多い。毎月ほんの少し赤字になる。するとどうなるか。足りない分を貯金から補うことになります。つまり「足りない財布」です。
金額が大きくても小さくても、減り続ける構造になっている限り、不安は消えません。だからこそ、年金を繰下げて受給額を増やし、できるだけ収支をトントンに近づける。そうすれば、「減らない財布」が手に入ります。老後の安心は、「いくら持っているか」ではなく、「毎年の収支がどうなっているか」で決まります。1億円あっても不安な人がいる。
でも、収支が安定していれば、そこまで大きな資産がなくても安心できる。ここが、老後不安を解消するポイントなんです。
使わずに死ぬのは「タダ働き」のようなもの
相続人がいなくて、財産がそのまま国庫に入る。2024年度はその額が約1300億円になったそうです。10年前の約3倍です。これから団塊の世代が75歳を超えていきます。おそらく、この数字はさらに増えていくでしょう。でも、冷静に考えてみてください。自分の財産を「最終的には国にどうぞ」と思って貯めている人って、ほとんどいませんよね。本音はこうでしょう。
「自分のお金は、自分で使いたい」でも、おひとり様で相続人がいなければ、最終的には国庫に入ります。「三途の川も金次第」とは言いますが、三途の川までお金は持っていけません。一生懸命働いて貯めたお金を、ほとんど使わずに人生を終える。
ちょっと切なくないですか。そのお金、どうやって貯めましたか? 若いころから何万時間も働いて、コツコツ積み上げたお金ですよね。それをほとんど使わずに終わるということは、極端に言えば「タダ働き」したのと同じ、という見方もできなくはありません。
もちろん、お金があることで安心は買えました。でも、それだけでいいのでしょうか。子どもがいれば、「遺してあげたい」という気持ちもあるでしょう。それはとても自然なことです。ただ、財産を遺したことで、かえって相続争いが起きるケースも少なくありません。