――これだけの出来事を経験されて、恐怖と向き合いながら日常を送ること自体、本当に大変だったと思います。どのように対処されましたか。
麻木 小学校から高校まで約10年間続けた空手が役に立ちました。弟が先に習っていて、見学へ行った時に「私も強くなりたい」と思い、空手を始めました。本当はダンススクールへ通う予定だったので、空手を始めたいと言った時に母は驚いていました。
――空手は、麻木さんにどんな変化をもたらしましたか。
麻木 男性に力で勝てるとは思っていませんが、体が小さい私のような人でも逃げる方法や、腕をつかまれた時の対処法など、自分の身を守る術を学ぶことができました。
何より、空手を通して精神的にも強くなれたことが一番大きかったですね。今でも当時の道着は、お守り代わりに大切に残しています。
安心な生活を手に入れるために服装や髪型を変えた
――安心して生活するために、ご自身なりに工夫されてきたことはほかにもありますか。
麻木 10代の頃は、ミニスカートやショートパンツ、肩が出る服や体のラインが分かる洋服を着ることが多くて、ヒールも大好きでした。でも、いろいろな経験を重ねるうちに、何かあった時にすぐ逃げられることを一番に考えるようになったんです。
芸能のお仕事では衣装として鮮やかな色のものを着ることもありますが、普段はできるだけ目立たない色やシンプルな服装を選ぶようになりました。
一人で出掛ける時は露出を控え、体のラインが分かりにくいゆったりとした服に、デニムにスニーカーやヒールのないブーツなど、いつでも走れる服装を心掛けています。
一番大きかったのは髪型ですね。昔はずっとロングヘアだったので、切る決断には本当に勇気がいりました。でも、思い切って髪を短くしてから、不思議なくらい知らない方から声を掛けられることが減ったんです。「髪型だけで、こんなに変わるんだ」と、自分でも驚きました。
――『イタズラなKiss THE MOVIE』で琴子を演じられていた頃を思い浮かべると、ロングヘアも麻木さんの印象の一つでした。その髪を手放すことに葛藤はありませんでしたか。
麻木 ファンの方からは「またロングにしてほしい」と言っていただくこともあります。それでも、私にとっては安心して外を歩けることの方が大切ですし、もっと早く決断していれば良かったと思うくらいです。
今でも、いざという時に逃げられるよう体力づくりを続けていますし、防犯は特別なことではなく、私にとっては日常の一部になっています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

