母が日本人、父がアフリカ系という“黒人ハーフ”として日本で生まれ育ったアリシアさん(24)とチェルシーさん(25)。

 言語も家庭環境も生活習慣もすべて“日本仕様”だったが、2人は子どもの頃から髪の毛や肌の色について悩み、15歳までの時間は「特に複雑な気持ちになる場面が多かった」という。「うんこ」「国に帰れ」と言われたことも……。2人に話を聞いた。(全3回の1回目)

「ありちぇるちゃんねる」のアリシアさん(左)とチェルシーさん(右) ©文藝春秋 撮影・松本輝一

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──お2人の家族構成から教えてください。

アリシア 父がガーナ人、母が日本人で、弟が1人います。でも弟とは6歳離れているので、中学までは学校内の黒人ハーフは私だけでした。

チェルシー 私は父がナイジェリア人、母が日本人で、双子の妹がいます。

──ご両親はいわゆる国際結婚ですよね。どんな出会いだったのでしょう?

幼稚園に入ったころのアリシアさん

アリシア 父は仕事でガーナから日本に来て、六本木のクラブでDJをしていた母と知り合ったそうです。今は飲食店などを経営しています。

チェルシー うちの父はナイジェリアで弁護士をやっていたそうです。父が旅行で日本に来たときにフェスで出会ったのがきっかけでした。結婚後に日本に住み始め、その後はALT(外国語指導助手)などをしていました。

「私の中身は100%日本人なのに、見た目が周囲と違いすぎる!」

──どちらのご両親も日本で結婚して、お2人が生まれたんですね。

チェルシー そうです。日本生まれで幼稚園、小学校、中学校まで地元の公立に通ってました。私もアリシアも父親の国に行ったことがないんですよ。父自身はときどき帰国してましたけど、「女の子は危ないから、小さいうちはナイジェリアは行かない方がいい」と言われていました。

 あとは、単純に遠いんですよね。日本からナイジェリアは直行便がなくて、トランジットを含めると片道24時間くらい。しかも父の実家はナイジェリアの空港から車で8時間以上かかるらしく、行く機会がなかったんですよね。

幼い頃のチェルシーさん

アリシア 考えてみたら、うちはガーナに行こうという話をした記憶がないですね……。たぶん、私が当時ガーナにあまり興味がなかったこともあり、「海外に行くならアフリカよりハワイとかがいい」みたいな。うちの家具にもアフリカっぽさはないし、食事は白米とみそ汁、肉じゃが、おひたしとか日本の家庭料理を食べていたし。納豆も食べるし。

チェルシー 私も好きな食べ物は焼きそばとか卵かけごはんだし、プリキュアめっちゃ見てたし、AKBになりたかったです。

──では、父親のルーツを感じる機会はそんなになかった?

チェルシー そうですね。ときどき父親の友人のアフリカ人に会ったりしたくらいで。

アリシア 私の周りのアフリカルーツの人は父親だけだったので、日常生活は完全に日本式。お正月はおせち料理を食べるし、七五三とかの行事もちゃんとやってきました。でも徐々に「私の中身は100%日本人なのに、見た目が周囲と違いすぎる!」と思うようになりました。