ただ、我々がエンジンにこだわっているのは、カーボンニュートラル燃料を使うなど燃料が変われば、エンジン車でもハイブリッド車でも十分に脱炭素が実現可能だからです。まだコストが高いですが、合成燃料の技術もありますし、バイオ燃料にも一生懸命取り組んでいます。燃料情勢が変わることによって、内燃機関でも十分にカーボンニュートラルは達成できると考えています。だから排ガス規制対応を含めて、エンジンの技術も磨いて進化させておく必要があります。
HVの時代はいつまで続く?
――米国を中心としてHVの需要が堅調に伸びていますが、HVの時代はどのぐらい続くと見ていますか。
中嶋 いつまで続くかは、地域ごとのエネルギー事情によって変わってくるでしょう。たとえば、バイオ燃料に力を入れているブラジルでは、国にとっても消費者にとっても内燃機関をベースにやっていくほうが、メリットがあると思います。ただ、バイオ燃料はトウモロコシを原料にするので、食糧を燃料に使ってよいのかといった議論もある。そこで、トヨタは食べ物ではないものを原料にしてバイオ燃料を作ることも研究しています。地域によって、様々なエネルギー事情によって、ガラッと動きは変わります。たとえば欧州では、ウクライナ問題を契機に天然ガスが以前に比べて入手しづらくなり、水素が注目され始めています。
※約1万字の全文では、中嶋副社長が「研究開発投資の見通し」を語っています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(中嶋裕樹「SDV開発は正解のない課題。難題に立ち向かえる人材育成がカギ」)。
