本好きにとって当たり前の存在である図書館が、多くの若者たちからは「古くて退屈な場所」と敬遠されている。いったいなぜか。ライターの飯田一史氏は、若者の図書館離れを加速させている最大の要因に彼らが「待てない」ことを挙げる。

 ここでは同氏による『9割の日本人のための「ゆる読書」入門』(時事通信社)の一部を抜粋。現代の読書スタイルの激変に迫る。

写真はイメージ ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

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本がある場所に行けない、行きたい場所ではない

 本好きは紙の本や書店、古本屋、図書館のよさをあたりまえのものだと思っている。

 ゆえに、そう感じていない人が敬遠しているポイントに気づけない。

 過去12月間図書館を利用していない人々に「なぜ利用しないのか」とインタビューをして原因を探った、英国の文化メディアスポーツ省(DCMS)による調査に『Barriers to library use』(図書館利用の障壁、2024年)がある。

 同調査によると、図書館を使っていない人の多くは、図書館を「古く、退屈な場所」ととらえている。とくに18~24歳の若年層がそうだ。実際には英国の図書館では本の貸し出しに加え、メンタルヘルスをふくめた健康相談、キャリア支援、デジタルスキル学習、子ども向けプログラム、各種イベントなどを提供している。しかし、こうした実態が伝わっていない。

 多くの図書館のウェブサイトやソーシャルメディアアカウントは「おもしろみがない」「情報の羅列」で、デザイン的に魅力がないからだ。