兵庫県で告発文書問題の混乱が収まらない。文書を作成した元県民局長の死亡から2年、同僚だった男性が匿名で取材に応じた。元県民局長に対して「お悔やみの言葉」を繰り返す斎藤知事に、強い言葉で怒りをにじませる。
兵庫県・斎藤元彦知事の7つの疑惑をまとめた告発文書が明るみに出たのは2024年3月だった。斎藤知事はすぐに“告発者”探しを指示。文書を作成した西播磨県民局長(当時)について記者会見の場で「公務員失格」と批判した。
知事側近は元県民局長の私的情報を漏えいして回った。元県民局長は「一死をもって抗議する」との言葉を残し、自ら命を絶った。同年7月7日のことである。
その後、第三者委員会が斎藤知事の疑惑のうち、パワハラ行為を16件中10件で認定したほか、告発者探しについては「違法であり極めて不当」とする報告書をまとめた。
■元同僚が語る実状 「第三者委の意義がなくなってしまう」
【筆者】どういう気持ちで、この2年間を過ごしましたか。
【元同僚】「知事の周りの“取り巻き”がいなくなって良くなった部分もありますが、知事自身が当初よりもひどい状態になっていて、それが県政に影響を与え続けている。非常に残念で、忸怩たる思いはあります」
【筆者】第三者委員会から、「公益通報者保護法違反」と断定をする形の結論が出ましたが、斎藤知事は受け入れていません。
【元同僚】「行政の世界ではあり得ないですよね。自分たちでは客観的な判断ができないことについて第三者の意見を求める、当時はそういう趣旨で設置されたものです。
そこから出たものに従わないとか、受け入れないというのはあり得ない。第三者委員会を設置する意義がなくなってしまいます」
■「知事本人が変わるしかないが、おそらく無理でしょう」
元県民局長の私的情報については荒唐無稽なデマも流れ、誹謗中傷が遺族をも苦しめ続けた。県民らに給与返還訴訟まで起こされ、遺族は長期化を避けるために返納。その際に「そっとしておいてほしい」と、遺族取材の自粛を求める文書を出している。

