不審死した元夫
不審死した元夫とは、安田種雄さん(享年28)。雑誌のモデルとしても活躍していた2人は、02年5月に結婚し、2人の子宝にも恵まれた。ところがその後、夫婦関係が悪化。4年後の06年春先には、X子さんは離婚を求めるようになったが、種雄さんは首を縦に振らなかったという。
事件が発覚したのは、同年4月10日未明だった。深夜3時過ぎ、種雄さんの父が息子夫婦の住む一軒家を訪れたところ、2階で仰向けに倒れている種雄さんを発見。傍らには細長いナイフが置かれていた。
自宅の中にはX子さんがいたものの、「自殺の可能性が高い」とされ、捜査は一旦終結に向かった。ところが12年後の18年4月、事態は急展開を迎える。捜査資料を分析した警視庁大塚警察署の女性刑事らが、ナイフへの血の付き方などに着目。自殺にしては不自然だと指摘したのだ。
同年10月9日、捜査一課はX子さんの実家を家宅捜索。だが、取り調べを受けたX子さんは事件への関与を否認し、「わからない」「記憶にない」といった供述を繰り返した。
捜査員はX子さんとその後結婚していた木原氏とも“面会”したものの、10月下旬になると、X子さんへの聴取は突然幕を閉じた。
捜査関係者たちの無念
「週刊文春」は3年前、実際に捜査を手掛けた20人を超える捜査関係者を取材。彼らの多くはこう無念の思いを吐露していた。
「自民党議員の家族ということで捜査のハードルは上がり、より慎重になった」
ある捜査員は、「旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」と話し、臍を噛んだ。
前述した第1弾記事で紹介したのは、木原氏の愛人A子さんの核心証言だ。木原氏はX子さんと家庭を営む一方、A子さんとの間にも子供をもうけていた。
木原氏から種雄さんの不審死を巡るX子さんの関与を聞かされたA子さんは、知人にこう明かしていた。
「家宅捜索が入ったって言っていました。全部、家と実家に」「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って言ってました」「『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』っていう話になり」「『連行させればいいじゃん』って言ったら『子供もいるし、どうすんだ』みたいな話になって」
X子さんの取調官が実名告発
第4弾では、X子さんの取調官を務めた警視庁捜査一課の佐藤誠元警部補が実名で告白。同年7月13日、当時の露木康浩警察庁長官が会見で「証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」と発言したことに反論した。
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ。当時から我々はホシ(犯人)を挙げるために全力で捜査に当たってきた。ところが、志半ばで中断させられたんだよ」

