事件はまだ決着していない
18年10月の取り調べでは、X子さんは聴取を終えると、警視庁本部庁舎からタクシーに乗って帰宅し、そこに木原氏が同乗することもあった。捜査員がドライブレコーダーを回収して分析すると、驚くべき発言が収められていたという。
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ」
佐藤氏が振り返る。
「『国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ』と指示を出していたんだ」
一連の報道を受け、23年10月、種雄さんの遺族らは被疑者不詳で殺人罪の告訴状を警視庁大塚署に提出。1週間後に受理されたが、大塚署はわずか50日あまりで、「事件性は認められない」とする捜査結果を東京地検に送付。現在、事件の行方は検察の手に委ねられている。
つまり、事件はいまだ“決着”していないのだ。
そして――。
今年3月、「木原事件」に新たな展開があった。
遺族がX子さんに約1億円の損害賠償を求める民事訴訟を提起。X子さんも代理人弁護士を立てて、係争が始まったのだ。
種雄さんの父・南永さんが心境を明かす。
「刑事告訴した後も、警察庁からは何の説明もなく、『事件性は認められない』と繰り返すばかりでした。文春の記事が出た後、私たちは解剖医が書いた死体検案書など新たな証拠も出しました。それでも、一向に捜査は進みませんでした。私たち遺族が抱く唯一の願いは、種雄がなぜ死んだのか。その真実を明らかにすることです」
事件の真相を知る最大のキーマンこそが、冒頭で登場した男性、Y氏だ。事件当時、Y氏はX子さんと親密な間柄にあり、種雄さんが亡くなった直後、“怪死現場”に駆け付けていたのだ。
再捜査が行われていた18年当時、警視庁捜査一課の刑事らは宮崎刑務所に収監中のY氏と何度も面会を重ねた。そして、ある重要な自白を引き出していた。
だが、その後は固く口を閉ざし、メディアの取材には応じなかった。そんなY氏が7月下旬、20時間以上にわたって「週刊文春」のインタビューに答えたのだ。
《この続きでは、Y氏の重大証言を詳しく報じている。13000字超えの記事全文は「週刊文春 電子版」および8月6日発売の「週刊文春」で読むことができる》
文藝春秋が提供する有料記事は「週刊文春電子版」「Yahoo!ニュース」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。



