大統領を辞めさせる動き

 今回は、職を履行できない大統領を罷免する「憲法修正第25条」の発動が問われている。直接の理由は、イランの「文明全体を滅ぼす」発言だ。

 4月14日、民主党のジェイミー・ラスキン下院議員が筆頭となり、憲法修正第25条を発動すべきかどうかを審査する委員会を設置する法案を提出した。ただし、法案の通過、委員会設置から罷免に至る過程は複雑であり、仮に最終段階までこぎつけた場合も副大統領であるJDヴァンスの承認が必要となる。

 ヴァンスは議員となる以前はトランプを激しく批判しており、2016年の大統領選の最中にトランプを「アメリカのヒトラー」「まぬけ」と呼んでいる。同時期にトランプがテレビ番組のリポーターと交わした会話「(自分が)スターになれば女性はなんでもさせる。女性器のわし掴みもできる」という2005年の会話が暴露された時には、「キリスト教徒の皆さん」「主よ、私たちをお助けください」とコメントしている。

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 しかし、ローマ教皇レオ14世が神の名において戦争反対を訴え、トランプが教皇を攻撃し続ける中、ヴァンスはこう語った。

「教皇が神学について話す際、非常に慎重であるべきだと思う」

 副大統領といえども一人のカトリック信者であるヴァンスが、世界14億人のカトリックを代表する教皇に神学の扱いを指図したのだ、トランプを擁護するために。JDヴァンスが憲法修正第25条を発動するとは思えない。

追記:

4月15日:アフリカ歴訪中の教皇レオ14世はカメルーンにて、これまでで最も厳しい戦争批判を行った。

「災いあれ。自らの軍事的、経済的、政治的利益のために宗教や神の名そのものを操り、神聖なるものを闇と汚物の中に引きずり込む者たちに」

 温厚な人柄で知られる教皇の口から「災いあれ」が出たことに多くが驚かされた。

イラン戦争は「ちょっとした気晴らし」

4月16日:トランプ大統領はラスべガスでの演説中に、イラン戦争は「ちょっとした気晴らしだ」と言い、世界中からさらなる批判を招いた。もっとも、このセリフはイラン戦争を終わらせる方法がなく、内心は途方にくれていることからの負け惜しみと言える。

4月17日:パリではフランスのマクロン大統領とイギリスのスターマー首相が率い、約50カ国が参加する会議が開かれた。「ホルムズ海峡の完全かつ即時、無条件の再開」を要求するもので、イタリアのメローニ首相、ドイツのメルツ首相もビデオではなく直接参加し、欧州の結束の強さを見せた。アメリカは招かれず、孤立を深めていると言える。

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