総裁選のお昼に起きた「カツカレー事件」とは何か
今回、石破氏は254票。200票どころか、ここで書かれていた「250票を超える最悪の事態」をさらに4票も上回ったのである。
ちなみに「4票」と聞くと、あれを思い出す。そう、カツカレー事件だ。
「投票前のカツカレー『4人が食い逃げ』 安倍陣営嘆く」(朝日新聞デジタル 9月21日)
首相陣営は20日昼、東京都内のホテルで「必勝出陣の会」を開催。首相を支持する衆参議員用に験担ぎのカツカレーが333食分振る舞われ、完食された。
《ところが、実際に首相が得た議員票は329票。少なくとも4人がカレーを食べながら首相には投票しなかった計算になる。陣営幹部は嘆く。「カレーを食べて首相に投票しなかった議員がいる。一体だれなんだ」》
こういうのは本来は小ネタと言っていい。おもしろ記事であり、読者が笑って終わりである。しかし、思いのほか大事件になっている。
「カツカレー食い逃げ議員『4人』裏切り者探し始まる」(日刊スポーツ 9月21日)
深刻さを増す「4皿のゆくえ」
こういう器が小さ……いや、徹底して追い詰める窮屈さがかえって世間の笑いを生んでしまうことを首相サイドは知ったほうがいい。
《「カレーライス事件」として大きな波紋を広げている。》だなんて新聞に書かれてしまっている時点でこんな滑稽なことはない。
石破氏との討論をなるべくしない、批判をさせない、党員には締め付けを強くする。その結果がこれである。
投票前の「250票を超える最悪の事態」(日経)に、カレー事件の「4票」をあわせた「254票」。
今の自民党内の空気をあぶりだしてしまった石破氏は善戦どころか大善戦だったのだと思う。