日本の映画ファンにとって、金城武(52)は「懐かしい人」かもしれない。だが、ここ香港で彼は過去のスターではなく、派手なメディア露出がなくても人気は常に安定し「別格のスター」として評価され続けている。(寄稿:香港在住ライター・ベック知子/全2回の1回目)
新作映画で大絶賛
2025年10月、金城武が出演する香港スリラー映画『風林火山』が公開された。約5,100万米ドルという香港映画史上最高の制作費をかけた作品で、カンヌ国際映画祭にも出品された。日本未公開だが、東京国際映画祭にて先行上映されている。
香港のエンタメ記者であるケイティー・ホー氏は、同作が金城武の「観客を飽きさせない豊かな表現力」を改めて証明し、彼の人気が再び急上昇していると指摘する。
「控え目なスタイルこそが彼の魅力だ。映画『風林火山』で見せた存在感は、来年も再来年も色あせることはない」(「HONG KONG Esquire」2025年10月15日配信)
映画『風林火山』自体の香港での評価は賛否が分かれたが、金城武の演技に関しては絶賛の声が大半を占めた。ネット上でも「もし映画全体の出来が70点だとしたら、そのうち60点は金城武の魅力によるものだ」「スクリーンで彼を見られただけで元が取れた」といった熱量の高いコメントが相次ぎ、俳優としての存在感が健在であることを印象づけた。
「どの角度からでも完璧にカッコいい」
香港の映画ファンであるルビーさん(30代)に話を聞くと、彼を象徴するある言葉を教えてくれた。
「香港で金城武といえば、みんな『無死角男神』と呼びます。どの角度からカメラを向けても完璧にカッコいい俳優、という意味です。ただ容姿が整っているだけでなく、人柄や私生活を含めて『どこを探してもネガティブな隙が見当たらない』という、市民からのリスペクトも込められています」

