日本の観客へのメッセージ

 撮影終了から3年以上、台湾での放送から約2年。「波の音色」がいよいよ日本の観客に届くことを塚原は喜ぶ。「僕自身の活動や、劇団の作品が変わりはじめるきっかけになった作品なので、日本の方に見ていただけることがまずはうれしい」と。

 塚原が触れるのは、日本における「台湾人は親日」というイメージだ。

塚原 先日の熊本地震や、2011年の東日本大震災などでも、日本は台湾から多大なる支援をいただいています。そのありがたみを日本人はよく知っているものの、背景にこのような歴史があったことを知らない人は多いと思うんです。少なくとも、僕は知らなかった。

ADVERTISEMENT

「波の音色」

 台湾の歴史や、日本と台湾の関係については、「勉強すればするほど、その複雑さと難しさがわかってきました」と率直に話す。

塚原 いろんなことがわかってくるうちに、「どうして台湾はここまで日本をサポートしてくれるんだろう?」という強い疑問が湧いてきました。きっとこの作品も、さまざまなことを考えるきっかけになるはず。たとえば、「こんな歴史があったのに、なぜ?」「日台の友好関係を未来につなげるにはどうすればいいの?」と。

 もちろん、ひとりの俳優として「台湾には素晴らしい役者がたくさんいる、そのこともぜひ知ってほしい」と力説する。「本当にいい作品です。多くの方に見ていただきたいですね」

「波の音色」

「波の音色」
太平洋戦争時、日本の植民地統治下にあった台湾から動員された台湾人は軍人、軍属を含めて約20万7000人に及んだ。本作では太平洋戦争末期の北ボルネオを舞台に、捕虜監視員として働く3人の台湾人を描く。戦争に巻き込まれ、過酷な環境を生き抜いた彼らを待っていたのは、終戦後のオーストラリア軍事法廷による裁判だった。捕虜虐殺の戦犯として裁かれることとなった新海輝、新海志遠、新海木德は無事に台湾に帰ることが出来るのか――。
監督:孫介珩(スン・ジエハン)/出演:吳翰林(ウー・ハンリン)、黃冠智(アキラ・ファン)、朱宥丞(エドワード・チュウ)、施名帥(シー・ミンシュアイ)、連俞涵(リエン・ユーハン)、周厚安(アンドリュー・チョウ)、塚原大助、松大航也/2024年/台湾/全5話/© 2024 Public Television Service Foundation/8月15日(土)12:00よりU-NEXTにて独占配信

次のページ 写真ページはこちら