アンナ へえー、すごい。運命的ですね。
秋山 これを見た瞬間、ビビッときて。電気が走ったというか。僕の体のサイズと寸分の狂いなく同じだった。大きすぎても小さすぎても合わないし。たまたま1枚作ったお面が、もう寸分の狂いなく、梅宮辰夫だったんですよ。もう、神がかってましたね。
僕、今これ、家の神棚みたいな一番高い位置に飾ってんですよ。額に入れて。これはほんとにいよいよのときじゃないと使わない家宝なんで。僕の芸人人生の守り神です。そこからいろいろ進化させていって、Tシャツにしたりとか。まさに梅宮さんに助けられましたね、あの時期は。
楽屋に挨拶に行ったら「お前か、俺の顔好き勝手使い放題使ってるやつは」と…
アンナ やっぱり秋山君のおかげで、これだけ梅宮辰夫も、またずっと名前が皆さんの記憶に残っているというか。本当に感謝しかないです。秋山君がいなかったら、若い世代の子たちは父のことを知る機会もなかっただろうし、多分もう全然見ることもなかったと思うんです。
秋山 いやいやいやいや、とんでもないです。僕なんて、その偉大さに乗っからせてもらってるだけですから。僕がやっているのは、あくまで梅宮辰夫さんという巨大な存在のほんの一部を切り取らせてもらっているだけですから。
アンナ いやいや、本当にうれしい。父も生前、「秋山がやってくれてさ、うれしいよな」って、ずっと喜んでたからね。自分の知らないところで、自分の顔が歩いてるのが面白かったみたいで、ケラケラ笑ってました。父とも何度か会ってますよね?
秋山 はい。事務所にはもちろん許可を取って使わせてもらうことはずっとやってたんですけど、初めてちゃんとお会いしたとき、名古屋のテレビ局だったかな、楽屋にご挨拶に伺ったときは本当に緊張しましたね。
心臓が口から飛び出るかと思いました。ドアを開けたら、ドーンと座ってらっしゃって。「お前か、俺の顔好き勝手使い放題使ってるやつは」みたいな。もう正面から漏らすんじゃないかぐらいの迫力で睨まれて。
アンナ それは怖い(笑)。
秋山 一瞬時が止まりましたね。空気が凍りつきました。で、震えながら「すいません、ロバートの秋山と申します」って言ったら、そのあとめっちゃ優しくて。もうニコッとして、「おお、よく来たな。どう使ってくれても構わないけど、中途半端なことはするなよ。きちんと芸にしてくれたら全然大丈夫だから」って言ってくれて。あの言葉で、さらに身が引き締まりました。芸人として、これ以上ないお言葉でしたね。ちゃんとやろうって。
写真=橋本篤/文藝春秋
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