秋山 笑えるし、なんか昭和の男の生き様みたいなものも全部詰まってるんですよね。毒舌も愛情も、全部が凝縮されている。スーパースターが日々テレビを見てるときに感じたこととか。なんなら、僕の芸人の先輩の不倫も痛烈にいじり倒してたし。
アンナ そうそう。テレビ見て芸人さんに向かって、「なんでお前が出るんだ」っていうことをずっと言うわけよね。「お前なんかちっともおもしろくないんだ」とか。1人でテレビにツッコミ入れてるんです。
もう今のテレビは世も終わりだみたいなことをいつも言うからさ、「そんなに文句があるんだったら見なきゃいいじゃん」って言うんだけど、でも結局ずっと見てるんだよね。
文章から滲み出る愛情
秋山 テレビが大好きなんですかね、結局は。
アンナ 大好きなんだと思う。通販番組に昔の女優さんとかが出てくるとすごいショックを受けてて。「こんなのに出ちゃいけないんだ」とか「プライドはないのか。だめだぞ、こんなの出ちゃ」みたいなことをすごい言ってたし。スターはスターらしくあれ、みたいな。テレビに出るんだったら、ちゃんとおもしろくないとだめだよっていう美学をすごい持ってて。
秋山 日記にもそんなこと書いてましたよね。「番組の1コマとしてただ呼ばれてるだけで、要は芸がない」みたいなことを。ちゃんと見てるし、分析してるんでしょうね、多分ね。鋭い視点ですよね。
アンナ 長くても4行ぐらいの短い日記なんだけど、その短い文章で人を笑わせられるってすごいよね。切れ味がすごいの。私のこともいっぱい書いてあるんですよ。「何月何日、アンナが今日家にやってきた。何をしに来たかと言えば、家の電気代を払わずに電気が止まったそうだ。なんて野郎だ」って書いてあった。
秋山 なんて野郎だ(笑)。それもちゃんと日記にしてるんですね。
アンナ 「どうしてこんなことができるんだ。信じられない」っていう感じなんだよね。でも、それも愛情の裏返しで。当時はうるさいなと思ってたけど、叱ってくれるだけありがたいですよね、今思うと。
秋山 ほんとに細かかったですもんね、字も綺麗だし。几帳面。ご自身で「A型のA型のA型」っていうのは言ってたって。
アンナ そう。マメなのよ、とにかく。料理もそうだし、何でも。
写真=橋本篤/文藝春秋
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