日常の「普通さ」が終わった先にあるもの

 しかし、この書籍が描くのは、温かな日常の風景だけではない。

 ページをめくるにつれ、時代は急速に暗転していく。全国各地の都市を焼き尽くした空爆の炎。そして、南洋の孤島に取り残され、極限の飢餓状態に追い込まれた日本兵たちの姿――。なかでも本記事冒頭で取り上げた「マーシャル諸島で撮影された、あばら骨がクッキリと浮き出た日本兵たち」のカラー写真は、SNSでも特に大きな反響を呼んだ一枚だ。

1945年9月15日 終戦直後にマーシャル諸島で撮影された日本兵たち。おそらくウォッゼ島かマロエラップ環礁タロア島で撮影されたもの

 笑顔でおしゃれを楽しんでいた若者たちと、同じ時代を生きた人間の姿。カラーという「色」を得たことで、その落差はより一層、見る者の胸に刺さる。

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