筆者は福岡県大会の準決勝を北九州市民球場で見た。対戦相手は九州国際大附属で、率直に言って投手力も打撃も九国大附が上かと思えたが、東筑は9回に3点を奪い逆転勝利。決勝も勝って9年ぶり7回目の甲子園進出を果たした。その粘りには感心した。応援リーダーがベンチ上に立って鼓舞する東京六大学のような応援スタイルも印象的だった。

福岡県大会の準決勝、東筑の応援席

 そして京都府の立命館宇治。この学校は、立命館大学に進学するのが前提になっている。以前、野球部長に話を聞いたことがあるが「うちの授業は、普通の生徒と同じです。特別扱いはしません。でも立命館大学に入る前提ですから、受験勉強はないんです。3年生でも野球に全力で打ち込むことができます」と言った。

 全く同じ言葉を慶應義塾高の森林貴彦監督から聞いたことがある。「そのかわり、テストの点が悪ければ即、留年が決まります。下駄は履かせません」とのこと。そういえば清原和博の次男の勝児も留年していたが、受験地獄とは別の厳しさがあるのだ。

ADVERTISEMENT

 立命館宇治、慶應義塾高ともに、高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」に参加し、スポーツマンシップや先進的な野球も実践している。こういうのが本当の「文武両道」かもしれない。

 3位には秋田の県立進学校、横手。そして札幌日大、智辯和歌山と続く。

東大への進学実績がある高校は5校

 最近は「文武別道」の私学の「野球コース」でも、勉強もしっかりさせる高校が増えている。野球一本の高校もまだ多い中で、格差が開いていると言える。

 これは東京六大学などUNIVAS(大学スポーツ協会)に所属する大学が、競技面だけでなく勉学も重視しだしたことが大きいようだ。

「野球だけで大学へ」という考え方は、今や時代遅れになりつつある。

 なお、今回の夏の甲子園出場49校で、他のコースも含めて昨年、東京大学に進学実績があったのは5校。

1位 智辯和歌山(和歌山)5人
2位 東筑(福岡・公立)3人
3位 岡山学芸館(岡山)2人 
3位 三重(三重)2人
5位 中京(岐阜)1人

 東京大学合格者については、各メディアの数字がばらついているので、正確な数字ではないことをお断りしておく。

 このランキングには「文武両道」「文武別道」が同居している。今どきの高校の評価は一筋縄ではいかないのだ。

次の記事に続く 甲子園出場校の中には進学コースとスポーツコースで「偏差値が25違う」学校も…「文武別道」の実態と迫りくる通信制の影【月に授業が1週間しかない学校も】