「野球と勉強の両立」と簡単に言うけど、本当のところはどうなのか?

 筆者は今年、神奈川県屈指の県立進学校、横浜翠嵐高の野球部の取材をした。印象的だったのは野球部員に「夏の大会の目標は?」と聞くと「何とか2つは勝ちたい」「いけるところまで行きたい」などとあいまいだったが「志望大学は?」と聞くと「東京大学です!」と実に明快だったことだ。

 彼らは自分の野球の実力について正確に把握していて「この部分はいいが、ここの部分は努力しないといけない」と、具体的に話すことができる。練習時間は短いが、極めて効率的に時間を使っていた印象だ。

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 前の項で述べた、今夏49代表の「文武別道」私学について、もう少し調べてみる。

コースによって偏差値に「25」差がある高校も

 いわゆる「進学コース」と「野球コース」で、偏差値の「差」が大きい高校はどこなのか?

今年の夏の大会に出場した中でもっとも高い偏差値を誇る福岡の東筑高校 ©時事通信社

 なお、偏差値は「受験専門サイト」の発表を参考にした。絶対的な数値ではなくあくまで「参考」だ。

1位 仙台育英(宮城)学校内の偏差値の差:25
   秀光コース 65
   フレックスコース 40
2位 健大高崎(群馬)学校内の偏差値の差:22
   特別選抜コース 62
   アスリートコース 40
2位 英明(香川)学校内の偏差値の差:22
   特別進学コース 60
   ワンステップコース 38
4位 智辯和歌山(和歌山)学校内の偏差値の差:20
   編入クラスコース 73
   スポーツコース 53
5位 新田(愛媛)学校内の偏差値の差:19
   普通科スーパー特別進学コース 63
   普通科総合進学コース 44

 いわゆる「甲子園の常連校」の名前が多い。こうした学校は、かなり以前から「文武別道」を徹底している。コースによって選考基準も、テストなど選考方法も全く異なっている。いわば「2つの学校が1つのキャンパスで学んでいる」ようなものだ。

 筆者は、このこと自体を悪いことだとは思わない。横浜翠嵐高の野球部員の「東大行きます」もそうだが、「将来の目標」を明確にして、ひたすら励むというのも高校生活の1つの在り方ではあろうと思う。

 ただ、特に野球コースではケガなどで「ドロップアウト」してしまったときに目標を失って戸惑う高校生が一定程度はでてくる。学校側が、そうした生徒の「フォロー」ができるかどうかも重要だ。入学するときには、その部分をチェックすべきだろう。