「どういうときに笑うんだっけ?」笑い方が分からなくなった日

――プレッシャーを感じる暇すらなかった。

西山 プレッシャーを感じてしまうと、プレッシャーを感じている子の写真になる気がしていたんです。だから、いかに鈍感でいられるか、いかに『CanCam』の世界の中の1人に染まれるか。静止画だからこそ全部が漏れる気がする怖さがあるんですよね。だんだんとプライベートよりもカメラの前が大事、みたいな感覚になっていきました。

 あるとき、帰り道で、「私はどういうときに笑うんだっけ」って、笑い方が分からなくなったことがあったんです。私は笑顔担当だったので、1日中マッキースマイルをやっていると、笑うってことが分からなくなる瞬間があって。キラキラした世界を作っているのに、私自身はキラキラしているのかな、っていう自問自答に答えられない自分がいたんです。

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――ああ。

西山 誌面では小悪魔マッキーとして成り立っていて、現場にまた呼んでもらえているから、自分自身の答えが出ていなくても、それは不正解ではないんだ……そう思って、無理やり進み続けていたところはあります。自信のようなものがつくこともなく。

 ファッション誌の現場は日々いろんな方と会うんですけど、読者の声って聞けないじゃないですか。だから、自分がどう見られているのかが一向に分からないままで。

 ずっと業界にいるスタッフさんやモデルさんは、ページ数が増えていくことが人気の実感につながるのかもしれないけど、私はもともと人間界で生きてきたから、人間の声がないと自信につながらなかった。それが余計にダイエットに向かわせたのかもしれないです。

「足が太い」「お前、結構デブだよ」と言われ、人生初めてのダイエット

――どのようなダイエットをされていたんですか。

西山 最初は雪の降らない東京にミニスカートとブーツで張り切って行ったら、スカウトの方から「足が太い」と言われたんです。悔しくて「え、私太いの?」って。長岡に帰って兄弟にそのことを話すと「お前、結構デブだよ」と。それで初めて自覚して、人生初めてのダイエットを始めたんです。

 主食をキャベツにしたり、家の周りでエクササイズをしたり、温水プールで泳いだり。ストイックにやって5キロくらい落ちたら、そのスカウトさんに「すごくきれいになったね」と言われた。それが人生初めての成功体験でした。

 

――そこからさらに、ということですか。

西山 そうなんです。成功体験がうれしくて、さらに3キロ落として『CanCam』の撮影が始まったら、現場のモデルさんたちの細さが尋常じゃなかった。そこからは自分のためというより、先輩たちみたいにならなきゃいけないという迷子の状態で、間違ったダイエットが止まらなくなりました。