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実は彼の中では当日、そのまま太平洋横断を強行する決意が固まっており、事前に妻に「太平洋横断を決行したら、マスコミが大騒ぎして家に押しかけてくるだろう。だから11月23日はホテルに泊まっているように」と宿の手配をしており、3人の娘にアメリカ土産は何がいいかと聞いて、希望の品を書いたメモをポケットに入れていた。
まんまと周りを騙した鈴木氏は重りの焼酎を次々に投げ捨てファンタジー号の高度を上げていく。現場にいた人々はただ呆気にとられるよりほかなかったが、事態を悟ったフジテレビの取材班はすぐに鈴木氏に連絡を取る。
実は、ファンタジー号には当時はまだ珍しかった携帯電話が取り付けられていた。
「ヘリウムが少し漏れているが、大丈夫」
鈴木氏の言葉は余裕に満ちており、その後、彼は携帯電話を使い妻に何度も連絡し「思ったより高度が出ていない」「海に出たよ」「タバコを吸ったよ」などと話している。出発翌日の24日午前6時には「素晴らしい朝焼けだ! 行けるところまで行くから心配しないでくれ」と報告。
だが、これを最後に本人からの連絡はぷつりと途絶える。
