――マスクの後ろから髪の毛が出ているのも、初代のオマージュですね。

天翔 髪の毛を出すデザインも、私の髪の長さを見て、後からデザイナーの方が付け加えてくださったんです。

©釜谷洋史/文藝春秋

――あれは後から決まったんですか?

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天翔 後からなんです。本当に私に合わせたスーツにしてくださって。スーツを着たときは、すごくゾワッとしました。本当に変身した感覚になるというか。アインズのマスクもかぶらせてもらったんですけど、前が本当にうっすらとしか見えなくて、すごく息苦しくなるんです。

 父は初代のころ、自分でマスクをかぶり、アクションをしながら戦っていました。しかも、崖のような足場の悪い場所をスタントマンなしで演じていました。あの状況で、あの暑さで、呼吸も苦しいのに、あのアクションを1人でこなしていたんだと分かって、鳥肌が立ちました。本当に父はすごいなと思って、そこでまた尊敬の念が湧きました。

 アインズのスーツを着て最後のシーンを撮ったときは、「本当に自分がライダーを受け継いでいくんだ」という決意が生まれた瞬間でもありました。今でも忘れられないほど、嬉しい瞬間でした。

――天音さんは武道もやっていました。武道で身に付けた技術は、アクションに生きましたか?

天翔 空手の基礎をやっていましたし、杖術という、杖を使った術も習っていたんです。そこで学んだことがすごく生きました。

 アクションも空手をベースに考えてくださったり、撮影前のシミュレーションでも空手の動きを取り入れたりしていたので、仮面ライダーの現場では、すごく生きたなと思います。

衝撃的だった父の改造シーン、55年後に自分も演じることに…

――天音さんは以前、初代の『仮面ライダー』で、お父さんが演じる本郷猛の改造シーンが怖かったと語っていました。今回、天音さんが演じる三日月ナユタにも、そのオマージュとなる改造シーンがありました。

天翔 私、本当に幼いころ、父の改造シーンが一番衝撃でした。父が叫ぶ中で、本当に手術されるじゃないですか。今回、『仮面ライダーアインズ』の台本を見たときに「改造シーン」と書いてあって、まさか自分が改造される役を演じるとは思っていなくて。

©釜谷洋史/文藝春秋

――最近の仮面ライダーは、改造されないですからね。

天翔 ないですよね。まさか父の作品から55年後に、私が改造シーンを演じることになるとは思っていませんでした。改造シーンの撮影の日に現場に入ったら、そこが廃墟の地下だったんですよ。日中なのに真っ暗で、その中に本物の手術室のようなリアルなセットが作られていて。そこで実際に縛られました。すごく大事なシーンだったので撮影が長時間に及び、ずっと縛られていた覚えがあります。

――ええ、そんなに縛られていたんですか。

天翔 本当にそうなんですよ。気持ちを入れていたシーンでもあったので、実際に縛られていると、「やばい、怖い。改造されるって、こういうことなんだ」と恐怖心を感じながら撮影していました。「父が昔やっていたのは、こういう撮影なんだ」と実感しました。一番忘れられないシーンです。

次の記事に続く 「1号の娘として、生まれてくれてありがとう」55年越しに「仮面ライダー」を継承した藤岡弘、の次女・天翔天音(21)が語る、海外ファンから届いた“熱い反応”

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